コンサルとは何か ― コンサルタント・コンサルティングとの違いをわかりやすく解説
「コンサルとは何か」は、就職・転職活動で調べ始めた人ほど曖昧なまま進んでしまいやすいテーマです。似た言葉である「コンサルタント」「コンサルティング」との違いや、医療・福祉分野で使われる「コンサルテーション」との違いを整理し、コンサル業界の全体像をつかめるようにまとめます。
「コンサル」「コンサルタント」「コンサルティング」の違い
「コンサル」は、「コンサルティング」または「コンサルタント」を短縮した略称として、業界内外で幅広く使われている言葉です。求人サイトや会話の中では「コンサルに転職する」「コンサルで働く」のように、職業・会社・業務内容のいずれを指す場合にも「コンサル」という表現が使われるため、文脈によって意味が変わる点に注意が必要です。
「コンサルティング」は、企業や組織が抱える経営課題に対して、専門的な知見をもとに分析、助言、実行支援を行う行為やサービスそのものを指します。語源は「相談する」を意味するラテン語のconsultareにあり、クライアントの相談に乗り、解決策を示すという行為の性質を表した言葉です。
「コンサルタント」は、このコンサルティングという行為を職業として行う専門家、つまり「人」を指す言葉です。コンサルティングファームに所属する社員はもちろん、独立して活動する個人も含めて、企業の課題解決を仕事にしている人がコンサルタントと呼ばれます。
整理すると、コンサルティングは「行為・サービス」、コンサルタントは「それを行う人」、コンサルは「両者をまとめて指す略称」という関係になります。求人情報や記事を読む際は、いま話題になっているのが会社・仕事内容・人のどれなのかを意識すると理解がスムーズになります。
コンサルティングファームの主な種類
コンサルティングファームは、扱うテーマによっていくつかの系統に分かれます。代表的なのは、企業の全社戦略や事業戦略の立案を専門とする「戦略系」、業務改善やシステム導入まで幅広く手がける「総合系」、IT・DX関連の支援に強みを持つ「IT系」の3つです。
総合系の中には、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのように、もともと会計監査を担う大手会計事務所グループのコンサルティング部門として発展してきたファーム群があり、これらは「BIG4」と呼ばれています。
このほか、シンクタンク系(調査研究機能を持つファーム)、国内独立系、特定業界に特化したブティック系など、規模や専門領域の異なる多様なファームが存在します。同じ「コンサル」という言葉でも、所属するファームによって業務内容やカルチャーは大きく異なります。
各系統の詳しい違いやBIG4各社の特徴については、別記事「コンサルティングファーム BIG4とは・カオスマップ」で詳しく整理しています。
コンサルタントの具体的な仕事内容
コンサルタントの仕事は、大きく分けると、クライアントの現状分析、課題の特定、解決策の立案、そして実行支援というプロセスで進みます。プロジェクトによって、経営戦略の策定から、業務プロセスの改善、システム導入の支援まで、扱うテーマの幅は多岐にわたります。
プロジェクトは通常、パートナーやマネージャーを中心に、複数のコンサルタントがチームを組んで進められます。若手のうちは情報収集や分析、資料作成が中心となり、経験を積むにつれてクライアントとの折衝や打ち手の立案を任される範囲が広がっていくとされています。
コンサルタントに求められる力として、資格の有無よりも、曖昧な課題を構造化して整理する力、限られた情報から仮説を立てる力、それを分かりやすく説明する力が重視される傾向があります。採用選考でケース面接やフェルミ推定が使われるのは、こうした力を短時間で見極めるためだと言われています。
実務では、社内資料の分析だけでなく、クライアント企業の現場担当者への聞き取りや、業界データの調査など、机上の分析と現場理解の両方が求められる場面が多くあります。
医療・福祉・心理分野の「コンサルテーション」との違い
「コンサルとは」を調べていると、医療、福祉、看護、心理といった分野で使われる「コンサルテーション」という言葉に行き着くことがあります。これは本記事で扱う経営コンサルティングとは、由来は同じ「相談する」という意味でも、使われる文脈が異なる言葉です。
医療現場における「コンサルテーション」は、主治医が専門外の症状について他科の専門医に助言を求める、といったように、専門家同士が知見を持ち寄って相談し合う行為を指すことが一般的です。福祉や心理の分野でも、支援者が専門的な立場から他の支援者や関係者に助言を行う場面で同様に使われます。
一方、ビジネスにおけるコンサルティングは、企業という組織を対象に、経営課題の解決を目的とした専門的なサービスを指します。相談に乗るという行為の構造は似ていますが、対象が「個人の症状や支援対象者」なのか「企業の経営課題」なのかという点で大きく異なります。
同じ「相談する」という語源を持つ言葉が、業界によって異なる文脈で発展してきたと理解しておくと、検索結果や資料を読む際に混同しにくくなります。就職・転職でコンサル業界を調べている場合は、本記事で扱う経営コンサルティングの文脈を前提に情報収集を進めるとよいでしょう。
コンサルタントになるには
コンサルタントになるために必須の資格は存在しません。新卒採用でも中途採用でも、学歴や前職の業界を問わず門戸が開かれているファームが多く、未経験からの転職者も少なくないとされています。
採用選考では、学歴フィルターの有無に議論はあるものの、最終的にはケース面接やフェルミ推定を通じて、地頭の良さや論理的思考力、コミュニケーション力が総合的に評価される傾向があります。知識量そのものよりも、初めて見る問題にその場でどう向き合うかが見られていると考えておくとよいでしょう。
英語力やITスキル、会計・財務の知識などがあれば選考や入社後のプロジェクトで有利に働く場面はありますが、これらも入社の絶対条件というより、配属領域や案件によって重視度が変わる付加的なスキルという位置づけです。
未経験からコンサルを目指す場合は、ケース面接やフェルミ推定の練習に加えて、転職エージェントからファーム別の選考傾向を聞いておくと、対策の精度が上がります。
まとめ
「コンサル」はコンサルティング(行為)とコンサルタント(人)を合わせた略称で、医療・福祉分野の「コンサルテーション」とは文脈が異なる言葉です。ファームには戦略系・総合系・IT系などの種類があり、必須資格はなくケース面接などの選考を通じて地頭や思考力が評価されます。