「日本に傘は何本あるか」の解き方
「日本に傘は何本あるか」は、ストック問題の中でも所有台数と複数保有の扱いを練習しやすい定番問題です。解き方を整理します。
この問題の特徴
「日本に傘は何本あるか」という問いは、猫や冷蔵庫と並んでフェルミ推定の定番として紹介されることが多い問題です。傘は1人が複数本所有していることが多いため、単純な保有率だけでなく、複数保有の扱いを練習できる点が特徴です。
傘は季節や天候によって使用頻度が変わる一方、ストック問題として「今何本存在するか」という時点の量を問うている点を見誤らないようにする必要があります。フロー問題(年間の購入本数)と混同しないよう注意しましょう。
生活実感として、傘を何本も持っている人もいれば、ほとんど持っていない人もいるという分布のばらつきが大きい対象でもあります。この点をどう扱うかが、この問題特有の考えどころです。
身近な対象であるがゆえに、自分の家にある傘の本数を思い浮かべることで、仮定の妥当性を検証しやすい問題だといえます。
前提設定:個人単位か世帯単位か
この問題では、個人単位で保有数を考えるか、世帯単位で考えるかを最初に決める必要があります。傘は個人が使うものであるため、人口を母数にした個人単位のアプローチが自然だと考えられます。
対象範囲は日本全国、時点は現在として、ストック問題であることを確認します。ビニール傘のような使い捨てに近いものを含めるかどうかも、前提として意識しておくとよいでしょう。
含める傘の種類(晴雨兼用の傘、ビニール傘、日傘など)をどこまで含めるかによって、答えの桁が変わる可能性があるため、シンプルに「雨傘全般」として進めると説明しやすくなります。
前提を固めたら、日本の人口を母数に、1人あたりの平均保有本数を仮定する所有アプローチの分解に進みます。
分解:人口×1人あたりの平均保有本数
基本的な分解式は、日本の人口×1人あたりの平均保有本数です。日本の人口を約1.2億人と仮定し、そこに平均保有本数を掛け合わせます。
1人あたりの平均保有本数は、生活実感から2〜3本程度と仮定することが多いと考えられます。傘立てに複数本あることも珍しくない一方、1本も持たない人もいるため、平均としてはやや控えめな数字を置くのが妥当です。
子どもや高齢者など、傘の保有率が異なる可能性がある層についても、大きく偏りがなければ全体の平均値でまとめて計算して問題ありません。細かく層別する必要はありません。
1.2億人×2.5本という式で計算すると、数億本という桁の答えが導かれます。この桁感が生活実感と大きく矛盾しないかを確認することが次のステップです。
検算:紛失・買い替えの実態も踏まえる
検算として、コンビニや100円ショップでのビニール傘の年間販売数から、フロー(購入数)とストック(保有数)の関係を考えてみると、桁の妥当性を別の角度から確認できます。
傘は紛失や置き忘れが多いアイテムでもあるため、保有本数が想像よりも入れ替わりやすいという生活実感も、仮定を検証する材料になります。
この問題を通じて練習した「個人単位での所有アプローチ」は、財布や靴、衣類など、個人が複数所有する身の回りの品を扱う問題にも応用できます。
傘のような身近な対象は、仮定の現実感を確かめやすいテーマです。まずはこうした問題で所有アプローチに慣れ、徐々に生活実感の薄いテーマに挑戦していくとよいでしょう。
まとめ
「日本に傘は何本あるか」は、人口×1人あたりの平均保有本数という所有アプローチで解けます。複数保有や紛失といった実態を踏まえながら、生活実感で仮定を検証する練習に適した問題です。