日本に傘は何本あるか|フェルミ推定の解き方と解答例
家庭、職場、店舗在庫を含めて日本に存在する傘の本数を推定してください。
自分で設定する論点
- 何を数えるか、対象に含めるものと除くものを自分で定義する
- 人口、世帯、保有率など、どの母数から入るかを決める
- 1人あたり、1世帯あたりなどの仮定値を置き、最後にレンジで検算する
- 壊れて放置されている傘を含めるか、定義を自分で決める
最初に確認・宣言すべきこと
- 使える状態の傘に限るか、玄関で死蔵されている傘も含むか
- ビニール傘・折りたたみ・日傘をすべて含むか
- 店舗や企業の在庫・貸し傘も含むか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
保管場所で分けると漏れが減る。自宅・職場や学校(置き傘)・店舗在庫の3つ
ヒント2を開く
自宅分 = 人口 × 1人あたり本数。自分の家の傘立てを思い出して仮定を置く
ヒント3を開く
傘はほとんど捨てられず溜まる。年間消費量(約1.2億本)×平均滞留年数、という別ルートで検算できる
考え方
- 「どこに傘があるか」という保管場所で分解し、漏れと重複を防ぐ
- 1人あたり本数は自宅の実感値(家族の人数×傘立ての本数)から置く
- フロー(年間消費量)×滞留年数という別ルートで検算し、ストック問題とフロー問題の関係を示す
解答の流れ
- 自宅の傘: 1.2億人 × 1人あたり2本(長傘+折りたたみ、死蔵含む) = 2.4億本
- 置き傘: 通勤・通学者6,000万人 × 50% × 1本 = 3,000万本
- 店舗・企業在庫やホテルの貸し傘などで2,000万本を加える
- 合計 2.4億 + 0.3億 + 0.2億 ≒ 2.9億本
- 検算: 年間消費約1.2億本 × 平均滞留3年 ≒ 3.6億本。両ルートが3億本前後で整合するので、結論は約3億本とする
回答例
【結論】日本にある傘は約3億本、1人あたり2〜3本と推定します。 【前提】壊れかけで玄関に死蔵されている傘も含め、「現存する傘」を数えます。 【分解式】保管場所で分け、自宅 + 置き傘 + 店舗・企業在庫、と積み上げます。 【計算】自宅分は1.2億人×2本(長傘と折りたたみ、使っていないものを含む)で2.4億本。職場や学校の置き傘は通勤通学者6,000万人の半分が1本ずつで3,000万本。店舗在庫や貸し傘で2,000万本を足し、合計約2.9億本です。 【検算】別ルートとして、傘の年間国内消費は約1.2億本と言われます。平均3年手元に残るとするとストックは3.6億本。2つのルートが3億本前後で一致するため、約3億本と結論づけます。
実際の数値との突き合わせ
日本洋傘振興協議会などの業界推計: 年間消費量約1.2〜1.3億本。ストックは3億本前後とする推計が多い
1.5億〜6億本に入っていれば桁感OK
よくあるミス
- 「使っている傘」と「存在する傘」を混同し、1人1本と置いて過小になる
- ビニール傘の大量廃棄・滞留という日本特有の事情を無視する
- 自宅・置き傘・店舗在庫で同じ傘を二重に数える
面接官の深掘り質問
ビニール傘の年間販売本数はどのくらいですか?
傘全体の年間消費約1.2億本のうち6〜7割がビニール傘とされる。ゲリラ豪雨での緊急購入=人口×年1回弱、という需要側からも8,000万本前後を導ける。
傘のシェアリングサービスは成立すると思いますか?
ストックが3億本と過剰な一方、「急な雨」の瞬間需要は集中する。駅単位の需要密度と返却率が成立条件、と構造で答えられれば十分。
評価ポイント
- 「現存する傘」の定義(死蔵品を含む)を自分で置けた
- 保管場所という切り口でMECEに分解できた
- 支配項(自宅の傘)の仮定に実感ある根拠を添えられた
- フロー×滞留年数という別ルートで検算できた