Privateケースの解き方
Privateケースは、企業や店舗の収益改善、成長戦略を扱う民間ビジネス系のお題です。売上向上や利益率改善など、他のカテゴリの多くもこの型から派生していきます。
Privateケースの範囲と出題のされ方
Privateケースは、特定の民間企業や店舗を主人公にして、売上を伸ばす、利益率を改善する、新規事業に参入するといった経営課題を扱うお題です。ケース面接の中でもっとも出題頻度が高く、売上向上や利益率改善、来客数増加といった他のカテゴリの多くも、突き詰めればPrivateケースの一種として整理できます。
出題形式は「ある企業の売上を2倍にする施策を考えてください」のように具体的な企業名が示される場合もあれば、「あるカフェチェーンの」のように業態だけが示される場合もあります。どちらの形式でも、まずその企業の規模、事業内容、顧客層を具体的にイメージできるかどうかが、その後の分解の質を左右します。
Privateケースでは、面接官が特定の業界に詳しいことを前提に話す必要はありません。知らない業界のお題が出ても、一般的な消費者の行動や、店舗ビジネスに共通する構造を当てはめれば十分に対応できるように設計されていることがほとんどです。
むしろ業界知識をひけらかそうとすると、憶測に基づいた不正確な前提を置いてしまうリスクがあります。知らない部分は素直に前提として仮置きし、その理由を説明する姿勢のほうが評価されやすくなります。
目的指標と対象事業を自分で置く
Privateケースの前提確認では、目的指標、対象事業、期間を自分で置いてから分析に入ります。売上なのか利益なのか、全社なのか特定店舗なのか、今期なのか3年後なのかによって、その後の分解がまったく違う形になるため、この3点は最初にそろえておく必要があります。
面接官から具体的な数値や制約が与えられないことも多く、その場合は「特に指定がなければ、直近1年間の全社売上を対象に考えます」のように自分で前提を宣言してから進めます。宣言せずに進めると、後から面接官と話がかみ合わなくなることがあります。
対象事業を絞る際は、企業全体を一度に扱おうとせず、主力事業やお題で名指しされた事業に範囲を絞ると、分解の粒度が浅くならずに済みます。範囲を絞りすぎて論点が矮小化していないかは、面接官の反応を見ながら調整するとよいでしょう。
前提の置き方に唯一の正解はありません。重要なのは、その前提を置いた理由を簡潔に説明できることと、途中で前提が崩れた場合に柔軟に修正できることです。
顧客・商品・チャネルという切り口で分解する
Privateケースの分解では、顧客、商品、チャネル、時間帯など、どの切り口を主軸にするかを決めることが出発点になります。客数を増やしたいのか、既存顧客の単価を上げたいのかによって、深掘りすべき切り口が変わります。
顧客軸では新規顧客と既存顧客、商品軸では主力商品と周辺商品、チャネル軸では店舗とオンラインというように、対になる概念を意識すると、モレなくダブりなく分解しやすくなります。すべての切り口を均等に扱う必要はなく、主軸を1つか2つに絞り込むことが重要です。
切り口を複数思いついた場合は、いきなり深掘りを始めるのではなく、それぞれの切り口がどれくらいのインパクトを持ちそうかを簡単に見積もってから、主軸を選ぶという順番にすると、後戻りが少なくなります。
分解の粒度は、面接官が目で追える程度に留めることを意識しましょう。切り口を増やしすぎると説明が長くなり、かえって論点がぼやけてしまいます。
使える資産と制約を自分で設定して評価する
Privateケースの打ち手評価では、その企業が使える資産、避けたい制約、評価軸を自分で設定する必要があります。全国に店舗網を持つ企業であれば、その店舗網を生かした施策のほうが実行可能性が高いと評価できます。
避けたい制約としては、ブランドイメージを損なわない、既存顧客との関係を悪化させない、といった項目が代表的です。値下げやセール施策を提案する際は、こうした制約に触れておくと視野の広さが伝わります。
評価軸は、ImpactとFeasibilityを基本にしつつ、Privateケースならではの観点として、既存の強み(店舗網、ブランド、顧客基盤など)をどれだけ活用できているかを加えると、実務に近い評価になります。
最後に、選んだ施策がその企業の強みや制約とどう整合しているかを一言添えると、単なる思いつきの施策ではなく、その企業に固有の提案だという印象を与えることができます。
まとめ
Privateケースは、目的指標と対象事業を自分で定義し、顧客・商品・チャネルの切り口で分解したうえで、その企業固有の資産と制約を踏まえて打ち手を評価する型で進めます。