売上分解の型(客数×単価×頻度)
売上分解は、ケース面接でもっとも頻繁に使う基本の型です。客数・単価・頻度という3つの変数を軸にした分解の考え方を整理します。
売上分解が基本とされる理由
売上は、客数×客単価×購入頻度という式に分解できる、ケース面接で最も汎用性の高い分解の型です。業界を問わず使える式であるため、初めて見るお題でもまずこの式を当てはめて考えることで、分析の入口を確保できます。
この分解は、単なる暗記の公式ではなく、売上という結果を構成する要素を論理的に整理したものです。式の意味を理解していれば、業態に応じて客数や単価の定義を柔軟に調整できます。
売上分解を土台にすると、来客数増加ケースや利益率改善ケースなど、隣接する他のカテゴリの問題にも応用が効くため、優先して身につける価値の高い型だといえます。
この型を体に染み込ませておくと、初見の売上向上ケースに対しても、迷わず最初の一手を打てるようになります。
客数をさらに分解する
客数は、新規顧客と既存顧客に分けて考えることが基本です。新規顧客を増やすには認知や集客の施策、既存顧客を維持するにはリピート施策というように、有効な打ち手の方向性が変わってきます。
業態によっては、客数をチャネル別(店舗、EC、代理店など)に分解することも有効です。どのチャネルで客数の変化が起きているかを特定できると、より具体的な打ち手につながります。
客数の分解では、市場全体の顧客数(潜在顧客)と、自社が獲得できている顧客数(顕在顧客)を区別して考えると、シェア拡大の余地があるかどうかも見えてきます。
客数を分解する際は、増やす対象が新規なのか既存なのかを早い段階で決めることで、その後の分析の焦点がぶれにくくなります。
単価と頻度をさらに分解する
客単価は、1回あたりの購入点数×商品単価に分解できます。単価を上げる方向であれば、値上げによるものか、アップセル・クロスセルによる購入点数の増加によるものかを区別して考えます。
購入頻度は、顧客がどれくらいの周期で購入・来店するかを示す変数です。頻度を上げる施策(ポイントプログラムや定期購入の提案など)と、単価を上げる施策では、必要なアプローチが異なります。
単価と頻度は、しばしばトレードオフの関係にあります。値上げは単価を上げる一方で頻度を下げる可能性があるため、両方への影響を考慮しながら打ち手を評価する必要があります。
客数・単価・頻度のうち、どの変数に最も改善余地があるかを、競合比較や過去実績との比較から見極めることが、分解の後の重要なステップになります。
業態に応じた売上分解の調整
小売業やサービス業では、この基本の式がそのまま当てはまりやすい一方、BtoBビジネスやサブスクリプション型のビジネスでは、頻度の代わりに契約継続率(解約率の逆)を使うなど、変数の言い換えが必要になる場合があります。
サブスクリプション型のビジネスでは、売上を「契約者数×月額単価×継続期間」のように分解し直すと、より業態に即した分析になります。基本の型を応用する柔軟性も身につけておきましょう。
分解した式をそのまま機械的に当てはめるのではなく、お題の業態に合わせて言葉や変数を調整できるかどうかが、単なる暗記との差になります。
練習の際は、さまざまな業態のお題に対してこの基本の型を当てはめてみて、どこを調整すべきかを都度考える経験を積むと、応用力が身についていきます。
まとめ
売上分解は、客数×客単価×購入頻度という基本の型を土台に、それぞれをさらに細分化して考えます。業態に応じて変数を柔軟に言い換える力も併せて身につけましょう。