ユニクロのEC売上を増やすには|ケース面接の回答例と進め方
ユニクロのECチャネル売上を伸ばす施策を考えてください。
自分で設定する論点
- 売上を伸ばす対象範囲と期間を自分で定義する
- 客数、頻度、単価、購入点数、チャネルのどれを主戦場にするか決める
- 既存資産、追加投資、ブランド影響などの制約を自分で置く
- 店舗売上との共食いをどう扱うか、立場を自分で決める
面接官への確認例
- 目標はEC単体の売上か、EC化率(現状約15%と仮置き)の引き上げか
- 店舗からECへの移行(共食い)はどう評価するか
- 対象は国内ECでよいか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
EC売上 = 訪問者数 × CVR × 客単価 × 購入頻度。どこが弱いかを考える
ヒント2を開く
アパレルECの最大の壁はサイズ・質感の不安(CVRを下げる)。ユニクロは店舗網という補完資産を持つ
ヒント3を開く
アプリ会員数千万人という資産があるため、新規集客よりも既存会員の転換・頻度に余地がある
考え方
- EC売上を訪問×CVR×単価×頻度に分解し、アパレル特有のCVRの壁に注目する
- 店舗網とアプリ会員という既存資産をECの弱点補完に使う発想を持つ
- 共食いではなく店舗とECの相互送客(OMO)として設計する
解答の流れ
- 前提: 国内EC売上を3年で1.5倍、EC化率15%→25%へ、と目標を置く
- 分解: 訪問者は会員基盤で十分多い。ボトルネックはCVR(サイズ不安・送料の壁)と購入頻度と仮説を置く
- 打ち手: A案 サイズ推薦の強化(購入履歴・体型データ・返品無料化)、B案 店舗受け取りの利便性向上と店頭在庫のEC統合(店舗をECの試着室・倉庫化)、C案 アプリのパーソナライズ通知で再購入頻度を上げる
- 評価: A案はCVRに直効、返品コスト増とのバランス設計が鍵。B案は既存店舗網を使うため模倣困難な差別化。C案は低コストで頻度に効く
- 推奨: B案を軸としたOMO強化にA案・C案を重ね、店舗とECの合算売上で評価する
回答例
【前提】国内EC売上を3年で1.5倍(EC化率15%→25%)にすることを目標とし、店舗との共食いは店舗+EC合算の顧客単価で評価する、と置きます。 【現状分析】EC売上を訪問者数×CVR×客単価×頻度に分解します。ユニクロはアプリ会員数千万人を抱え、訪問者数は既に大きい。一方アパレルECはサイズ・質感を確かめられない不安でCVRが店舗より大幅に低く、ここに最大の改善余地があります。また購入が季節のまとめ買いに偏り、頻度にも伸び代があります。 【ボトルネック】サイズ不安によるCVRの低さと、店舗とECが別チャネルとして分断されていることです。 【打ち手】1. サイズ不安の解消: 購入履歴に基づくサイズ推薦、レビューの体型情報表示、返品送料の無料化。2. 店舗網のEC資産化: 店舗受け取り(送料無料・即日)の拡大、店頭で試着しECで色・サイズ違いを注文できる在庫統合。3. アプリのパーソナライズ: 購入サイクルに合わせた補充提案・新作通知で頻度を上げる。 【評価と推奨】サイズ推薦と返品無料はCVRに直接効きますが、返品コストの増加とセットで損益設計が必要です。店舗網の活用は、EC専業のZOZOやAmazonが持たない全国800店という資産を使うため、模倣されにくい打ち手です。推奨は、店舗をECの「試着室・受取拠点」と再定義するOMO強化を軸に、サイズ推薦とパーソナライズを重ねる構成です。
打ち手の評価表
| 打ち手 | Impact | Feasibility | 期間 | リスク |
|---|---|---|---|---|
| 店舗受け取り・在庫統合(OMO強化) | 高 | 中 | 1〜2年 | 店舗オペレーション負荷の増加 |
| サイズ推薦強化・返品無料化 | 高 | 高 | 6カ月 | 返品コストの増加 |
| アプリのパーソナライズ通知 | 中 | 高 | 3カ月 | 通知過多による会員離れ |
よくあるミス
- 「SNS広告で集客する」など、訪問者数だけを議論する
- 店舗とECを対立軸で捉え、共食いを恐れて手が縮こまる
- 返品無料化のコスト影響に触れない
面接官の深掘り質問
返品無料化で返品率が2倍になっても得ですか?
CVR上昇による粗利増と、返品率×物流・再販コストの比較で損益分岐を示す。「試着代わりの返品」を許容する設計はZOZOも通った道、と実例を添える。
EC化率が上がると店舗はどうすべきですか?
店舗の役割を「販売」から「体験・受取・返品・採寸」へ再定義し、店舗評価KPIも店舗起点のEC売上を含めて変える。チャネル間のKPI設計まで踏み込む。
評価ポイント
- EC売上を4変数に分解し、CVRがボトルネックだと特定できた
- アパレル特有のサイズ不安という業界構造を踏まえられた
- 店舗網を弱みでなくECの補完資産と捉え直せた
- 共食いの評価方法(合算で見る)を自分で定義できた