映画館の売上を増やすには|ケース面接の回答例と進め方
映画館チェーンの売上向上策を提案してください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 映画館の売上を平日・週末の来場者数×チケット・飲食の平均購入額に分解。
- ボトルネック
- 平日の座席稼働率10%と飲食購入率40%に改善余地があるという仮説。
- 打ち手
- 平日の対象者限定割引と飲食の購入促進を組み合わせる。既存客の値引き分も引くと年8,088万円増、目標まで336万円不足。
面接官への確認例
- 対象は既存館の売上でよいか(新規出店は除く)
- 上映作品のラインナップは配給に依存し、制御しにくい前提でよいか
- チケット・飲食・物販・スクリーン貸しをすべて含むか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
対象を既存館に絞り、上映作品は配給依存で制御できないものとして扱う。飲食・物販まで売上に含めるかも決める
ヒント2を開く
年間売上={平日1日来場×5日+週末1日来場×2日}×52週×{平均チケット価格+飲食購入率×購入者単価}。 1日来場=スクリーン数×平均席数×1日上映回数×座席稼働率
ヒント3を開く
着目した理由:平日は1日600人・稼働率10%、週末は1,500人・25%という仮定です。平日は日数も多く、同じ設備で来場を増やす余地があります。飲食も来場者の60%が買わないため、既存の接点を使える改善候補です。 改善すべきこと:平日に新たな来場を作り、飲食を買う割合を40%から50%へ上げることを狙います。週末からの移動や既存客の値引きを引いても、年8,424万円の増収に近づく施策が必要です。
ヒント4を開く
8スクリーン、1室150席(10列×15席)、1室日5回(営業12.5時間÷上映・入替2.5時間)なら供給は1日6,000枚のチケットです。 平日稼働10%で600人/日、週末25%で1,500人/日。 週の来場は600×5+1,500×2=6,000人、年31.2万人で、平日・週末は各15.6万人です。 稼働率は設備から導けない需要の仮定で、曜日別の販売枚数÷販売できるチケット数で確認します。 チケットは通常2,000円×40%+割引1,000円×60%=1,400円。 飲食は購入率40%×購入者単価1,000円=400円/来場、合計1,800円。 購入者単価は飲料400円+購入者の75%が追加食品800円を買う想定です。 年商31.2万×1,800=5億6,160万円、増収目標は8,424万円です。 施策は年15万人の配信対象×到達80%×利用40%=4.8万回の割引利用、その65%を全曜日での純増と仮定し3.12万人増。 残る1.68万回は施策なしでも平日に来る客と置き、この試算では週末からの移転はゼロとします。 対象15万人は新規・休眠会員の重複を除いたリスト規模という未検証の仮定です。 各人年1回の利用、割引はチケットのみ200円、飲食の基本単価400円は維持します。 純増3.12万×1,600円=4,992万円、既存平日客1.68万×200円=336万円減。 飲食購入率40%→50%は、未購入60%の半数へ提案が届き、その1/3が追加購入する仮定(60%×50%×1/3=10ポイント)。 施策後34.32万人×10%×1,000円=3,432万円増。 純増収は4,992−336+3,432=8,088万円、14.4%増で、目標まで336万円不足します。 2年間の累計売上ではなく2年後の年間効果です。
構造図: どう分解して解くか
年間来場者数の計算根拠
来場1人あたり売上の計算根拠
改善候補
着目した理由:平日は1日600人・稼働率10%、週末は1,500人・25%という仮定です。平日は日数も多く、同じ設備で来場を増やす余地があります。飲食も来場者の60%が買わないため、既存の接点を使える改善候補です。
改善すべきこと:平日に新たな来場を作り、飲食を買う割合を40%から50%へ上げることを狙います。週末からの移動や既存客の値引きを引いても、年8,424万円の増収に近づく施策が必要です。
打ち手と評価
結論
平日の来場と飲食購入を改善します。平日600人/日・年15.6万人は、設備と稼働率から置いた仮説です。 既存客の値引きも含めた増収は年8,088万円で、目標まで336万円不足します。 まず対象を絞って試し、純増来場と飲食購入率を確認して施策を調整します。
回答例(面接での話し方)
1前提
既存のシネコン1館で、2年後の年間売上を15%増やすケースとします。問題文に実績値はないため、以下の設備・稼働・価格・施策効果はすべて説明用の仮定で、業界平均ではありません。
1年は52週=364日で近似し、平日260日・週末104日。
残る1日と祝日の曜日振替は省略します。
上映・飲食を対象とし、物販と貸館は基準売上に含めません。
2現状分析
年間売上={平日1日来場×5日+週末1日来場×2日}×52週×{平均チケット価格+飲食購入率×購入者単価}。
1日来場=スクリーン数×平均席数×1日上映回数×座席稼働率。
8スクリーン、1室150席(10列×15席)、1室日5回(営業12.5時間÷上映・入替2.5時間)なら供給は1日6,000枚のチケットです。
平日稼働10%で600人/日、週末25%で1,500人/日。
週の来場は600×5+1,500×2=6,000人、年31.2万人で、平日・週末は各15.6万人です。
稼働率は設備から導けない需要の仮定で、曜日別の販売枚数÷販売できるチケット数で確認します。
チケットは通常2,000円×40%+割引1,000円×60%=1,400円。
飲食は購入率40%×購入者単価1,000円=400円/来場、合計1,800円。
購入者単価は飲料400円+購入者の75%が追加食品800円を買う想定です。
年商31.2万×1,800=5億6,160万円、増収目標は8,424万円です。
施策は年15万人の配信対象×到達80%×利用40%=4.8万回の割引利用、その65%を全曜日での純増と仮定し3.12万人増。
残る1.68万回は施策なしでも平日に来る客と置き、この試算では週末からの移転はゼロとします。
対象15万人は新規・休眠会員の重複を除いたリスト規模という未検証の仮定です。
各人年1回の利用、割引はチケットのみ200円、飲食の基本単価400円は維持します。
純増3.12万×1,600円=4,992万円、既存平日客1.68万×200円=336万円減。
飲食購入率40%→50%は、未購入60%の半数へ提案が届き、その1/3が追加購入する仮定(60%×50%×1/3=10ポイント)。
施策後34.32万人×10%×1,000円=3,432万円増。
純増収は4,992−336+3,432=8,088万円、14.4%増で、目標まで336万円不足します。
2年間の累計売上ではなく2年後の年間効果です。
3ボトルネック
着目した理由:平日は1日600人・稼働率10%、週末は1,500人・25%という仮定です。平日は日数も多く、同じ設備で来場を増やす余地があります。
飲食も来場者の60%が買わないため、既存の接点を使える改善候補です。
改善すべきこと:平日に新たな来場を作り、飲食を買う割合を40%から50%へ上げることを狙います。週末からの移動や既存客の値引きを引いても、年8,424万円の増収に近づく施策が必要です。
4打ち手
1. 新規・休眠会員への平日割引(年+4,656万円の仮説)。平日に来られる新規・休眠会員の価格負担を下げ、平日の追加来場を増やす。価格以外が理由なら案を変える。
15万人への到達80%・利用40%・純増65%が成立するか。既存客値引き336万円控除後の売上で、配給歩合・配信費は別に注意して実行条件を確認します。
2. 飲食の購入提案・注文導線の改善(年+3,432万円の仮説)。提案不足や待ち時間で買わない人の購入率を上げる。追加の来場者にも対応できる販売体制を整える。
未購入者60%×到達50%×転換1/3で購入率+10ポイント。単価1,000円維持と追加対応能力が条件。原価・人件費は別に注意して実行条件を確認します。
3. 空きスクリーンの貸館(基準試算には未計上)。通常上映では埋まらない時間を団体需要で販売する。失う上映売上を上回る予約が取れる場合に採用する。
確定受注がなく効果は未検証。受注コマ数×料金から失う上映売上・利益と追加費用を引くに注意して実行条件を確認します。
検算は施策後売上6億4,248万円−基準5億6,160万円=8,088万円。
チケットは基準4億3,680万円+純増3.12万×1,200円−既存値引き336万円=4億7,088万円、飲食は34.32万×50%×1,000円=1億7,160万円です。
平日純増120人/日で稼働は10%→12%、週末は25%のままなので平均設備能力には収まりますが、特定回の満席は別に確認します。
純増率が50%なら増収6,720万円で、同じ4.8万回利用・飲食条件の下では約68.7%以上の純増率が15%成長に必要です。
作品・時期をそろえた案内を送ったグループと施策を実施しないグループで全曜日の純増来場、購入率、配給歩合・飲食原価・追加人件費控除後の増分利益を確認します。
5評価と推奨
平日の来場と飲食購入を改善します。平日600人/日・年15.6万人は、設備と稼働率から置いた仮説です。
既存客の値引きも含めた増収は年8,088万円で、目標まで336万円不足します。
まず対象を絞って試し、純増来場と飲食購入率を確認して施策を調整します。
よくあるミス
- 「良い映画を上映する」という制御不能な変数に依存した提案
- チケット値下げだけを語り、飲食・物販の存在を忘れる
- ダイナミックプライシングの既存客単価低下リスクに触れない
面接官の深掘り質問
平日割で週末客が平日に移るだけでは?
基本試算では週末移転ゼロ、4.8万回の割引利用中3.12万回が純増、残る1.68万回は元々来る平日客と仮定した。週末からの移転があれば、平日の増加と週末の減少を相殺して年間純増を数える。空いた週末席が再販売されるとは限らない。単なる移転にも200円の値引き減収が生じるので、案内を送ったグループと施策を実施しないグループの全曜日の来場・支出で純増率を推定し直す。純増率50%なら増収は6,720万円となり、目標8,424万円を下回る。
動画配信時代に映画館の長期戦略はどうあるべきですか?
家で代替できない「体験」(音響・スクリーン・同時性・イベント性)への特化と、不動産としての多目的活用。映画上映業から時間貸し体験業への再定義で答える。
評価ポイント
- 作品は制御できないという業界構造を前提化できた
- 空席だけで原因を断定せず、追加需要と純増利益の検証を提案できた
- 曜日別の来場者数と稼働率を整合させ、未確認の需要仮説を区別できた
- 作品依存を下げる構造的な打ち手(多目的化)まで出せた