映画館1館の年間来場者数は何人か|フェルミ推定の解き方と解答例
スクリーン数、席数、稼働率から映画館1館の年間来場者数を推定してください。
自分で設定する論点
- 推定対象を台数、店舗数、席数などのユニットに分解する
- 1ユニットあたりの稼働時間、回転率、生産量を自分で仮定する
- 繁忙差、低稼働分、平均値の置き方をレンジで確認する
- 標準的なシネコン1館を想定するか、単館系かを決める
最初に確認・宣言すべきこと
- 郊外の標準的なシネコンを想定してよいか
- 来場者は有料入場者のみか、招待・無料も含むか
- 年間は繁忙期・閑散期をならした平均でよいか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
供給側から: スクリーン数 × 席数 × 1日の上映回数 × 座席稼働率
ヒント2を開く
シネコンの標準はスクリーン8〜10、1スクリーン100〜200席、1日4〜5回上映
ヒント3を開く
平日昼はガラガラ、週末夜は混む。平均稼働率は意外と低く1〜2割
考え方
- 座席供給量(箱の大きさ×回転)を出し、稼働率を掛ける
- 稼働率は平日と週末を分けてから平均を作ると根拠が立つ
- 全国の映画人口(年間延べ入場者)からの割り戻しで検算する
解答の流れ
- 標準シネコン: 8スクリーン × 平均150席 = 1,200席
- 1日の供給: 1,200席 × 5回上映 = 6,000席
- 稼働率: 平日10%・週末30%を日数で加重 → 平均約15%
- 1日来場者 6,000 × 15% = 900人 → 年間 900 × 360日 ≒ 32万人
- 結論は約30万人、レンジ20万〜50万人とする
回答例
【結論】標準的なシネコン1館の年間来場者数は約30万人と推定します。 【前提】8スクリーン規模の郊外シネコンを想定し、有料入場者を数えます。 【分解式】年間来場者 = 総席数 × 1日上映回数 × 平均座席稼働率 × 営業日数。 【計算】8スクリーン×平均150席で1,200席。1スクリーン1日5回上映するので、1日の供給は6,000席分です。稼働率は平日昼の閑散(10%)と週末の混雑(30%)を日数で加重して平均15%とすると、1日900人。年間360日で約32万人です。 【検算】全国の年間映画入場者は約1.5億人、映画館は約600館なので、平均すると1館25万人前後。大型シネコンはやや上振れするため、30万人という推定は整合的です。
実際の数値との突き合わせ
日本映画製作者連盟の統計(2023年): 年間入場者約1.55億人・映画館約600サイト → 平均約26万人/館
10万〜60万人に入っていれば桁感OK
よくあるミス
- 稼働率を50%以上に置く(映画館の平均は想像よりずっと低い)
- 上映回数を考慮せず、席数×365日で計算する
- ヒット作の週末の実感で年間をならしてしまう
面接官の深掘り質問
この映画館の年間売上を概算すると?
チケット30万人×1,400円=4.2億円に、飲食・物販(客単価400円)を加えて約5.5億円。収益の3割を占める飲食を忘れずに加えられるか。
動画配信の普及で映画館はどう生き残るべきですか?
「家で観られる体験」との差分=大画面・音響・イベント性に投資する方向(IMAX、応援上映、ライブビューイング)。稼働率の低い平日昼の別用途活用も論点。
評価ポイント
- 席数×回転×稼働率という箱ビジネスの定石で分解できた
- 平日と週末の稼働差を加重平均で処理できた
- 全国入場者数からの割り戻しで検算できた
- 「標準的な1館」の定義を最初に置けた