病院の運営コストを下げるには|ケース面接の回答例と進め方
医療品質を保ちながら病院の運営コストを下げる施策を提案してください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 病院の費用を人件費・医薬品や材料・委託や設備・光熱費に分解。
- ボトルネック
- 残業、購買条件、委託・設備運用に改善余地があるという仮説。
- 打ち手
- 業務移管、購買見直し、省エネを組み合わせる。削減見込み4.74億円から導入費用なども引き、目標4.75億円への不足を確認。
面接官への確認例
- 対象は地方の中規模総合病院(300床・慢性赤字)としてよいか
- 「質を保つ」は診療アウトカムと安全性の維持、と定義してよいか
- 人員削減(医師・看護師)は原則避ける前提か
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
対象を地方の中規模総合病院(300床・慢性赤字)とし、「質を落とさない」を診療成績と安全性の維持と定義してから始める
ヒント2を開く
純削減 = 実際に減る支払い − 追加人材・システム・移行費用
ヒント3を開く
着目した理由:費用95億円のうち人件費52億円、材料24億円が大きな割合を占めます。ただし人員や必要な治療を一律に減らせないため、残業と購買条件から着目します。 改善すべきこと:医療の質を保ちながら実際の支払いを減らす必要があります。作業時間が減っただけで費用削減とせず、補助者・設備・移行費用を引いて評価します。
ヒント4を開く
残業費4.4億円×30%−補助者費0.5億円+採用等0.3億円=1.12億円。材料24億円×8%=1.92億円。委託等19億円を委託14億・光熱等5億と仮定すると5%と20%削減で1.7億円。計4.74億円でほぼ目標ですが投資費をまだ引いていません。 材料削減8%は支出24億円の対象品40%×単価削減20%、委託5%は対象50%×単価削減10%、光熱等20%は対象設備50%×消費削減40%の仮説です。数量減と単価減を区別し、診療量・品質をそろえて購買明細で測ります。
構造図: どう分解して解くか
医薬品・材料の計算根拠
改善候補
着目した理由:費用95億円のうち人件費52億円、材料24億円が大きな割合を占めます。ただし人員や必要な治療を一律に減らせないため、残業と購買条件から着目します。
改善すべきこと:医療の質を保ちながら実際の支払いを減らす必要があります。作業時間が減っただけで費用削減とせず、補助者・設備・移行費用を引いて評価します。
打ち手と評価
結論
タスク分担と調達改善を先行します。追加費用などを引く前の削減額4.74億円の仮説で、目標4.75億円まで100万円不足します。投資・処遇還元を控除し、追加の削減余地を探ります。
回答例(面接での話し方)
1前提
運営費95億円の仮想病院で、安全と診療の質を維持し3年で5%、4.75億円を減らします。業務移管の可否は院内の専門判断を前提とします。
2現状分析
純削減 = 実際に減る支払い − 追加人材・システム・移行費用。
残業費4.4億円×30%−補助者費0.5億円+採用等0.3億円=1.12億円。
材料24億円×8%=1.92億円。
委託等19億円を委託14億・光熱等5億と仮定すると5%と20%削減で1.7億円。計4.74億円でほぼ目標ですが投資費をまだ引いていません。
材料削減8%は支出24億円の対象品40%×単価削減20%、委託5%は対象50%×単価削減10%、光熱等20%は対象設備50%×消費削減40%の仮説です。
数量減と単価減を区別し、診療量・品質をそろえて購買明細で測ります。
3ボトルネック
着目した理由:費用95億円のうち人件費52億円、材料24億円が大きな割合を占めます。ただし人員や必要な治療を一律に減らせないため、残業と購買条件から着目します。
改善すべきこと:医療の質を保ちながら実際の支払いを減らす必要があります。作業時間が減っただけで費用削減とせず、補助者・設備・移行費用を引いて評価します。
4打ち手
1. タスクシフト・記録業務の効率化。専門職が担う記録や周辺作業を減らし、残業と必要な追加勤務を減らす。
補助者の採用難・現場の抵抗に注意して実行条件を確認します。
2. 共同購買・後発品・SPD導入。品質を保てる範囲で購入単価と過剰在庫を下げ、材料費を減らす。
他院との調整・切替時の混乱に注意して実行条件を確認します。
3. 委託費の仕様見直し・相見積もり。不要な委託内容や割高な条件を見直し、必要な品質を保った契約額へ下げる。
委託品質の低下に注意して実行条件を確認します。
病棟等で業務時間・残業支払い・安全指標を比較し、品質が悪化すれば展開しません。削減益を処遇へ戻す分は純削減から引き、5%目標と還元を同時に満たせるか再計算します。
5評価と推奨
タスク分担と調達改善を先行します。追加費用などを引く前の削減額4.74億円の仮説で、目標4.75億円まで100万円不足します。投資・処遇還元を控除し、追加の削減余地を探ります。
よくあるミス
- 人員削減から入り、質・安全の制約と矛盾する
- コスト構造を立てず、思いつきの節約リストになる
- 収益側(病床稼働・加算)との一体設計という視点がない
面接官の深掘り質問
コスト削減より収益改善の方が効くのでは?
その通りで、病床稼働率の改善・施設基準加算の取得・地域連携による紹介患者増は効果が大きい。ただし需要側は制御しにくいため、コストと収益の両輪で答える。
電子カルテの刷新は投資すべきですか?
記録時間・転記ミス・薬剤過誤の削減効果と、数億円の投資・移行負荷を比較する。単体更新でなく業務フロー再設計とセットなら回収可能性が上がる、と条件付きで答える。
評価ポイント
- 「質を保つ」を具体的に定義してから議論できた
- 人件費の頭数でなく時間の使い方に着目できた
- 共同購買・後発品・SPDなど調達側の定石を出せた
- 削減益の再投資(処遇→定着)という循環まで設計できた