物流会社の配送コストを下げるには|ケース面接の回答例と進め方
宅配便を扱う物流会社が、サービス水準を保ちながら配送コストを下げる方法を考えてください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 配送費用を訪問件数・1件あたりの作業時間・時間あたりの費用に分解。
- ボトルネック
- 再配達と非効率な配送ルートに着目。
- 打ち手
- 受取方法とルートを改善。効果の重複や固定費を調整し、試算13.4%減から目標15%減への追加策を考える。
面接官への確認例
- 対象はラストワンマイル(個宅への配送)のコストでよいか
- サービス水準の定義は(翌日配達・時間帯指定の維持、としてよいか)
- ドライバー不足(2024年問題)への対応も含むか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
主戦場をラストワンマイル(個宅への配送)に絞ると宣言する。翌日配達・時間帯指定は維持する前提を決める
ヒント2を開く
費用/件 =(時間 × 時間単価 + 車両・燃料・拠点・委託費)÷ 完了件数
ヒント3を開く
着目した理由:再配達は同じ荷物に追加の訪問を発生させ、ルートの遠回りは1件あたりの時間を増やします。給与を下げる前に、届け終わるまでの作業量に着目します。 改善すべきこと:初回で渡せる割合を上げ、1件あたりの移動・作業時間を減らす必要があります。短縮した時間を勤務や車両費の削減につなげる案を選びます。
ヒント4を開く
100件完了あたり111回訪問を104回に減らすなら訪問回数は6.3%減。訪問に比例する費用だけでさらに処理効率5%改善なら係数は104/111÷1.05。全費用に共同配送3%減も独立に効くという楽観条件で1−104/111/1.05×0.97=約13.4%減です。 111訪問は配達完了100件+追加訪問11回、104訪問は100件+4回の設定です。毎回の訪問時間と勤務内の固定作業を記録し、削減した訪問を従業員全員の合計勤務時間へ換算します。車両・拠点費を含む総額が未提示なので、削減効果は基準100の指数で比較します。
構造図: どう分解して解くか
総費用の計算根拠
改善候補
着目した理由:再配達は同じ荷物に追加の訪問を発生させ、ルートの遠回りは1件あたりの時間を増やします。給与を下げる前に、届け終わるまでの作業量に着目します。
改善すべきこと:初回で渡せる割合を上げ、1件あたりの移動・作業時間を減らす必要があります。短縮した時間を勤務や車両費の削減につなげる案を選びます。
打ち手と評価
結論
再配達とルートを改善します。費用が訪問と時間に比例する仮説で13.4%減、目標まで約1.6ポイント不足します。固定費と施策間の重複を反映して追加策を設計します。
回答例(面接での話し方)
1前提
配送1件あたりの費用を2年で15%減らし、配達品質を維持するケースです。1件あたりの作業時間と円/件を区別します。
2現状分析
費用/件 =(時間 × 時間単価 + 車両・燃料・拠点・委託費)÷ 完了件数。
100件完了あたり111回訪問を104回に減らすなら訪問回数は6.3%減。訪問に比例する費用だけでさらに処理効率5%改善なら係数は104/111÷1.05。
全費用に共同配送3%減も独立に効くという楽観条件で1−104/111/1.05×0.97=約13.4%減です。
111訪問は配達完了100件+追加訪問11回、104訪問は100件+4回の設定です。毎回の訪問時間と勤務内の固定作業を記録し、削減した訪問を従業員全員の合計勤務時間へ換算します。
車両・拠点費を含む総額が未提示なので、削減効果は基準100の指数で比較します。
3ボトルネック
着目した理由:再配達は同じ荷物に追加の訪問を発生させ、ルートの遠回りは1件あたりの時間を増やします。給与を下げる前に、届け終わるまでの作業量に着目します。
改善すべきこと:初回で渡せる割合を上げ、1件あたりの移動・作業時間を減らす必要があります。短縮した時間を勤務や車両費の削減につなげる案を選びます。
4打ち手
1. 置き配デフォルト化・受取拠点拡充。不在でも受け取れる方法を増やし、同じ荷物への再訪問を減らす。
盗難・誤配クレームに注意して実行条件を確認します。
2. AIルート最適化・時間枠再設計。近い届け先と時間指定を調整し、遠回りと待機時間を減らす。
システム投資・指定客の不満に注意して実行条件を確認します。
3. 過疎地の共同配送。少ない荷物を会社間でまとめ、別々の車両が同じ地域を走る費用を減らす。
競合調整・品質責任の所在に注意して実行条件を確認します。
比較ルートで総勤務時間・走行距離・残業費・事故・未完了を確認します。人件費等が全費用の70%だけなら、6.3%と効率5%の改善を全費用に適用した試算より効果は小さく、15%には追加削減が必要です。
5評価と推奨
再配達とルートを改善します。費用が訪問と時間に比例する仮説で13.4%減、目標まで約1.6ポイント不足します。固定費と施策間の重複を反映して追加策を設計します。
よくあるミス
- 「ドライバーの給料を下げる」など人手不足の現実と逆行する施策
- ドローン・自動運転など未成熟技術に依存した計画
- 再配達の存在に触れず、ルートの話だけで終わる
面接官の深掘り質問
送料無料の文化が問題の根本では?
「無料」表示が過剰な小口・急ぎ需要を生む。荷主(EC事業者)への従量課金・配送オプションの価格シグナルで需要側を適正化する、と価格メカニズムで答える。
2024年問題でドライバー時間が減ります。コスト削減と両立しますか?
生産性向上(件数/時間)はコスト削減と労働時間短縮の共通解。むしろ規制が置き配・共同配送の社会的受容を後押しする、と制約を追い風に読み替えて答える。
評価ポイント
- コストを「時間あたり完了件数」という生産性の式に還元できた
- 再配達という最大の無駄を定量感覚とともに特定できた
- 顧客の行動変容にインセンティブ設計をセットできた
- 共同配送の調整難度と時間軸を正しく評価できた