ケース面接ジム
需要供給バランス改善難易度: 応用思考15分 / 回答7

電力の需給ひっ迫を緩和するにはケース面接回答例と進め方

夏冬の電力需給ひっ迫を緩和する施策を、政策の立場から考えてください。

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自分で設定する論点

  • 不足や余剰を測る指標、地域、時間帯を自分で定義する
  • 需要量、供給量、配置、マッチング効率に分けて考える
  • 品質、安全性、制度、担い手確保の制約を自分で置く
  • ひっ迫が起きるのは年間数十時間のピークだけ、という構造を踏まえる

面接官への確認例

  • 対象は短期(今夏・今冬のピーク対応)か、中期の構造改善か(両方を分けて扱ってよいか)
  • 電源構成(原発再稼働など)の政治判断はスコープに含むか
  • 「緩和」の指標は予備率の確保でよいか

行き詰まったときの段階ヒント

ヒント1を開く

ひっ迫は「年間の総量」ではなく「特定日の特定時間帯(夏の夕方・冬の朝)のピーク」の問題。数十時間のために設備を持つのは非効率

ヒント2を開く

レバーは3つ: 供給を増やす(電源・送電)、需要を動かす(DR: ピークシフト)、貯める(蓄電池・揚水)

ヒント3を開く

需要側は「節電のお願い」より、価格・インセンティブで自動的に動く仕組み(DR契約・スマート家電)が効く

考え方

  • ひっ迫を「ピーク時間帯の需給ギャップ」と定義し、総量の問題と区別する
  • 供給・需要・貯蔵の3レバーで短期と中期を分けて設計する
  • 精神論の節電でなく、価格とテクノロジーで需要を自動制御する方向を軸にする

解答の流れ

  1. 前提: ひっ迫は夏の夕方・冬の朝の計数十時間に集中。短期(1〜2年)は予備率3%割れの回避、中期(5年)は構造的な余裕確保、と分ける
  2. 分析: 太陽光の増加で夕方(日没後)に供給が急減する構造。ピークのために火力を維持するのは高コスト
  3. 打ち手(短期): A案 デマンドレスポンスの拡大(大口需要家とのDR契約・家庭向け節電ポイントの常設化・スマートエアコンの自動制御)、B案 休止火力の計画的な待機契約
  4. 打ち手(中期): C案 蓄電池・揚水の拡充と、太陽光の夕方シフト(西向き設置・蓄電併設)、D案 送電網の地域間連系強化で全国融通を広げる
  5. 評価: A案は最も安い「発電しない発電所」。B案は保険コスト。C・D案は構造対策で投資が大きいが不可避
  6. 推奨: DRの制度化・自動化を軸に、短期は待機電源で保険をかけ、中期は蓄電と連系線に計画投資する

回答例

【前提】電力ひっ迫は年間の総量ではなく、夏の夕方と冬の朝の計数十時間のピークに集中する問題と定義します。短期(1〜2年)は予備率3%割れの回避、中期(5年)は構造的な余裕の確保、と時間軸を分けます。 【現状分析】太陽光の導入拡大で昼は供給が潤沢な一方、日没後の夕方に供給が急減する構造ができています。この数十時間のピークのために火力発電所を維持するのは極めて高コストで、休廃止が進んだ結果、予備力が薄くなっています。 【ボトルネック】ピーク時間帯だけの需給ギャップに対し、「需要を動かす」「貯めて時間をずらす」仕組みが未整備なことです。 【打ち手】短期: 1. デマンドレスポンス(DR)の本格化: 大口需要家との削減契約(発動時に対価を払う)、家庭向け節電ポイントの常設化、スマートエアコン・給湯器の自動制御プログラム。2. 休止火力との待機契約による保険的な供給力確保。中期: 3. 系統用蓄電池・揚水発電の拡充と、太陽光の蓄電池併設への誘導で夕方に電気をシフトする。4. 地域間連系線の増強で、余っている地域から足りない地域への融通量を増やす。 【評価と推奨】DRは「発電しない発電所」と呼ばれ、ピーク対策として最も安価です。精神論の節電要請と違い、価格と自動制御で確実に動きます。待機火力は保険料として割り切ります。中期の蓄電・連系線は投資が大きいものの、再エネ主力化と両立する唯一の構造解です。推奨は、DRの制度化・自動化を軸に短期を凌ぎ、蓄電と送電網へ計画投資する二段構えです。

打ち手の評価表

打ち手ImpactFeasibility期間リスク
DRの制度化・家庭の自動制御1〜2年発動頻度が高いと参加者が疲弊
休止火力の待機契約1年維持費用と脱炭素との整合
蓄電池・地域間連系線への投資5〜10年投資規模と費用負担の設計

よくあるミス

  • 「節電を呼びかける」という精神論が主軸になる
  • 発電所新設だけを語り、リードタイム(10年単位)と数十時間のための投資という非効率に触れない
  • ピークの時間帯構造(夕方)を知らず、昼の太陽光で解決すると誤解する

面接官の深掘り質問

電気料金の値上げで需要を抑えるのはどうですか?

一律値上げは逆進的で必要な需要まで削る。効くのは時間帯別料金(ピーク高・オフピーク安)で、需要を「減らす」でなく「ずらす」価格設計、と区別して答える。

EVの普及はひっ迫を悪化させますか?

無秩序な夕方充電は悪化要因だが、制御すれば夜間充電+V2Hで巨大な蓄電池網になる。充電タイミングの制御インフラが分かれ目、と両面で答える。

評価ポイント

  • 総量でなくピーク数十時間の問題と定義できた
  • 夕方の供給急減という再エネ時代の構造を理解していた
  • 節電のお願いでなく、価格・自動制御のDRを軸にできた
  • 短期の保険と中期の構造投資を分けて設計できた

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練習

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思考時間と回答時間を区切って、口頭説明まで含めて練習できます。

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