電力の需給ひっ迫を緩和するには|ケース面接の回答例と進め方
夏冬の電力需給ひっ迫を緩和する施策を、政策の立場から考えてください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 電力の余裕を供給力−ピーク需要で捉え、供給増と需要削減を比較。
- ボトルネック
- ピーク時に使える供給力の不足に着目。
- 打ち手
- 追加供給と節電を組み合わせる。余裕3%には供給82.5万kW増、または需要約80.1万kW減が必要。
面接官への確認例
- 対象は短期(今夏・今冬のピーク対応)か、中期の構造改善か(両方を分けて扱ってよいか)
- 電源構成(原発再稼働など)の政治判断はスコープに含むか
- 「緩和」の指標は予備率の確保でよいか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
ひっ迫は年間数十時間のピークだけ、という構造を先に確認する。短期のピーク対応か中期の構造改善かも分けておく
ヒント2を開く
予備率 =(利用可能な供給力 − 同時刻需要)÷ 同時刻需要
ヒント3を開く
着目した理由:問題は年間の発電量ではなく、ピーク時の需要に対する供給の余裕です。最低3%を確保するには供給82.5万kW増か需要約80.1万kW減が必要なので、その時刻に使える手段へ着目します。 改善すべきこと:必要な時間だけ確実に使用量を下げるか、供給力を増やす必要があります。契約上の能力ではなく、何kWを何時間確保できるかで選びます。
ヒント4を開く
供給は5,500×1.015=5,582.5万kW。需要一定で3%にする追加供給は82.5万kW、6%なら247.5万kW。供給一定で需要を下げるなら3%に約80.1万kW、6%に約233.5万kWの削減が必要です。
構造図: どう分解して解くか
同時刻の供給余力の計算根拠
改善候補
着目した理由:問題は年間の発電量ではなく、ピーク時の需要に対する供給の余裕です。最低3%を確保するには供給82.5万kW増か需要約80.1万kW減が必要なので、その時刻に使える手段へ着目します。
改善すべきこと:必要な時間だけ確実に使用量を下げるか、供給力を増やす必要があります。契約上の能力ではなく、何kWを何時間確保できるかで選びます。
打ち手と評価
結論
実際に減らせる電力使用量を確認し、ピーク時の節電と予備の供給力の確保を組み合わせます。最低必要量と追加余裕を分け、kWとkWhをそろえて判断します。
回答例(面接での話し方)
1前提
ピーク需要5,500万kW、予備率1.5%の仮想エリアで、最低3%と余裕を見た6%の目標を分けます。年間電力量ではなく同時刻の供給力を扱います。
2現状分析
予備率 =(利用可能な供給力 − 同時刻需要)÷ 同時刻需要。
供給は5,500×1.015=5,582.5万kW。
需要一定で3%にする追加供給は82.5万kW、6%なら247.5万kW。供給一定で需要を下げるなら3%に約80.1万kW、6%に約233.5万kWの削減が必要です。
3ボトルネック
着目した理由:問題は年間の発電量ではなく、ピーク時の需要に対する供給の余裕です。最低3%を確保するには供給82.5万kW増か需要約80.1万kW減が必要なので、その時刻に使える手段へ着目します。
改善すべきこと:必要な時間だけ確実に使用量を下げるか、供給力を増やす必要があります。契約上の能力ではなく、何kWを何時間確保できるかで選びます。
4打ち手
1. DRの制度化・家庭の自動制御。料金や自動制御でピーク時の使用を減らす。後の時間帯に戻る需要も確認する。
発動頻度が高いと参加者が疲弊に注意して実行条件を確認します。
2. 休止火力の待機契約。ピークに起動できる供給力を確保し、節電だけで足りない分を補う。
維持費用と脱炭素との整合に注意して実行条件を確認します。
3. 蓄電池・地域間連系線への投資。蓄えた電力や他地域の余力を使う。容量・送電制約・完成時期を満たす範囲で計上する。
投資規模と費用負担の設計に注意して実行条件を確認します。
参加率・応答率・継続時間・終了後の反動需要を測ります。250万kWを3時間維持するなら750万kWh相当の削減または蓄電が必要。太陽光・蓄電・連系線は同時刻の利用可能量と故障条件で評価します。
5評価と推奨
実際に減らせる電力使用量を確認し、ピーク時の節電と予備の供給力の確保を組み合わせます。最低必要量と追加余裕を分け、kWとkWhをそろえて判断します。
よくあるミス
- 「節電を呼びかける」という精神論が主軸になる
- 発電所新設だけを語り、リードタイム(10年単位)と数十時間のための投資という非効率に触れない
- ピークの時間帯構造(夕方)を知らず、昼の太陽光で解決すると誤解する
面接官の深掘り質問
電気料金の値上げで需要を抑えるのはどうですか?
一律値上げは逆進的で必要な需要まで削る。効くのは時間帯別料金(ピーク高・オフピーク安)で、需要を「減らす」でなく「ずらす」価格設計、と区別して答える。
EVの普及はひっ迫を悪化させますか?
無秩序な夕方充電は悪化要因だが、制御すれば夜間充電+V2Hで巨大な蓄電池網になる。充電タイミングの制御インフラが分かれ目、と両面で答える。
評価ポイント
- 総量でなくピーク数十時間の問題と定義できた
- 夕方の供給急減という再エネ時代の構造を理解していた
- 節電のお願いでなく、価格・自動制御のDRを軸にできた
- 短期の保険と中期の構造投資を分けて設計できた