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コンサルの基礎

コンサル業界用語集141選 ― 「アベる」から略語までまとめて解説

コンサル業界は「アサイン」「イシュー」「デリバラブル」といった横文字が多く、社内でしか通じない「アベる」「ペライチ」のような言い回しも少なくありません。この記事では、他の用語集でもよく取り上げられる定番の用語を軸に、カテゴリ別に141語を整理しました。上から通読するのではなく、わからない言葉が出てきたときに引く辞書として使うことを想定しています。

コンサル用語は3種類に分けて覚える

コンサル業界で使われる言葉は、大きく3種類に分かれます。1つ目は「アサイン」「イシュー」のように英語をそのままカタカナにした横文字、2つ目は「アベる」「ペライチ」「サマる」のように業界内で独自に短縮・動詞化されたスラング、3つ目は「WBS」「EBITDA」のようなアルファベットの略語です。

覚える順番としては、日常会話に頻出する横文字から入り、次に社内スラング、最後に略語という流れが実務的です。略語は文脈から推測しづらいものが多いため、必要になったときに個別に調べる方が効率的です。

重要なのは、これらの用語を「話すために」覚えるのではなく、「相手の言葉を理解するために」覚えるという姿勢です。選考の場面で無理に横文字を並べると、かえって理解の浅さが伝わってしまうことがあります。用語集は受信側の辞書として使い、自分が話すときは平易な日本語に置き換えられる状態を目指すとよいでしょう。

以下では、カテゴリごとに用語と意味を並べています。ブラウザの検索機能で調べたい言葉を探す使い方も想定しています。

1. まず押さえたい基本の横文字

プロジェクトに入ると初日から飛び交う、頻度の高い横文字です。ここに挙げた言葉は意味を知らないと会話の前提が崩れてしまうため、優先度が高い部分です。

アサインassign
プロジェクトに人員を割り当てること。「来月から新しい案件にアサインされた」のように使います。逆に案件から外れることは「リリース」「アンアサイン」と表現されます。
アベる/アベイラブルavailable
どのプロジェクトにもアサインされておらず、稼働が空いている状態。本来は「対応可能」という意味ですが、コンサル業界では「案件がない」というネガティブな意味で使われます。稼働率が評価指標になるファームでは、アベる期間が長引くと評価やキャリアに影響が出ると言われています。
イシューissue
解くべき論点。単なる「問題」ではなく、「いま答えを出すべきで、答えが出れば意思決定が前に進む問い」という限定された意味で使われます。「それはイシューじゃない」は「今そこを議論しても意味がない」という指摘です。
アジェンダagenda
会議で扱う議題とその順序。時間配分まで含めた進行表を指すこともあります。「アジェンダを切る」は議題を設計することです。
デリバラブルdeliverable
クライアントに納める成果物。報告書やスライド資料、分析ファイルなど、契約上提出することになっているものを指します。
アウトプット/インプットoutput / input
アウトプットは自分が出す成果物や発言、インプットは読み込む資料や受け取る情報のこと。「アウトプットが薄い」は成果物の中身が不十分という指摘です。
バリューvalue
クライアントに対して提供した価値。「バリューを出す」は、単に作業をこなすのではなく、意思決定に役立つ示唆を出せているかという評価軸です。
ファクトfact
検証可能な事実。意見や印象と区別して使われ、「それはファクトですか、意見ですか」という確認は日常的に行われます。
エビデンスevidence
主張の裏づけとなる根拠。データ、統計、インタビュー記録など、第三者が確認できる形の情報を指します。
ケイパビリティcapability
組織や個人が持つ実行能力。「この施策を回すケイパビリティが社内にない」のように、能力面での制約を語るときに使われます。
リソースresource
投入できる人員・時間・予算。「リソースが足りない」は多くの場合、人手が足りないという意味です。
スコープscope
プロジェクトで対応する範囲。契約時に定めた範囲を超えた作業が増えることを「スコープクリープ」、範囲外であることを「スコープ外」と言います。
ステークホルダーstakeholder
施策の影響を受ける、あるいは意思決定に関与する利害関係者。経営層、現場部門、取引先、株主などが含まれます。
カウンターパートcounterpart
クライアント側の対応窓口となる担当者。プロジェクトの進め方や情報収集は、このカウンターパートを起点に進みます。
コミットcommit
成果や期限を約束すること。「金曜までにコミットします」は、その日までに必ず出すという意思表明です。単なる努力目標より重い言葉として扱われます。
オーナーシップownership
担当領域を自分の責任範囲として最後まで見切る姿勢。指示待ちではなく、自分から論点を見つけて動くことを期待されている場面で使われます。
ドライブするdrive
議論や施策を主体的に前へ進めること。「このワークストリームをドライブしてほしい」は推進役を任される指示です。
インテグリティintegrity
誠実さ、倫理観、言動の一貫性。守秘義務や利益相反を扱う職業であることから、多くのファームが行動規範の中心に置いている概念です。
プロパーproper
新卒からそのファームに在籍し続けている生え抜き社員。中途入社が多い業界なので、社内の出自を区別する言葉として使われます。
常駐
クライアントのオフィスに席を置き、そこで作業する働き方。業務改善やシステム導入の案件で多く、リモート中心の案件と対比して語られます。

2. 会議・コミュニケーションで飛び交う用語

打ち合わせやチャットで最も頻繁に登場するカテゴリです。省略された言い方が多く、初めて聞くと意味を取り違えやすい部分でもあります。

キックオフkick-off
プロジェクト開始時に、目的、進め方、体制、スケジュールを関係者間で確認する最初の会議。ここでスコープの認識をそろえておくことが後の混乱を防ぎます。
ラップアップwrap-up
会議や作業の最後に、決まったことと次にやることを整理してまとめること。「最後にラップアップします」は締めの要約に入る合図です。
ネクストアクションnext action
次に誰が何をいつまでにやるかを具体化したもの。単に「ネクスト」と略されることもあります。担当者と期限が入っていないものはネクストアクションとみなされません。
ペンディングpending
判断材料が足りず、いったん保留にすること。「ペンディングにします」は、結論を出さずに次の論点へ進めるという宣言です。
エスカレーション/エスカレescalation
自分の権限や判断範囲を超える事項を、上位者やクライアントの責任者に上げること。手遅れになる前に上げる判断力が評価される場面があります。
アラインするalign
関係者の認識や方向性をそろえること。「事前にアラインしておきましょう」は、会議前に個別に話をつけておくという意味です。
握る
重要な点について、会議の前や外で関係者と合意を取っておくこと。「そこはもう先方と握ってあります」のように使われます。
コンセンサスconsensus
関係者間の合意。全員が積極的に賛成している状態というより、反対がなく前に進められる状態を指すことが多いです。
ファシリテートfacilitate
会議の進行役として、論点を整理しながら結論に導くこと。単に司会をするのではなく、意見を引き出し、時間内に決めきることまで含みます。
ブレストbrainstorming
質より量を優先してアイデアを出し合う場。この場では他人の案を否定しないという前提が置かれることが一般的です。
ジャストアイデアjust idea
深く検証していない思いつきレベルの案。「ジャストアイデアですが」と前置きすることで、完成度が低い前提を共有しつつ議論の材料を出せます。
ストローマンstraw man
議論のたたき台として、あえて粗い段階で出す仮の案。叩かれることを前提に出すもので、「ストローマンを作ってきて」は完成品を求める指示ではありません。
壁打ち
自分の考えを人にぶつけて、反応をもらいながら整理していく作業。上司や同僚に対して「少し壁打ちさせてください」と依頼する形で使われます。
サマるsummary
要約すること。「議事録をサマっておいて」は、内容を短くまとめておくという指示です。
腹落ち
頭で理解しただけでなく、納得感を持って受け入れられている状態。「クライアントが腹落ちしていない」は、論理は通っていても納得されていないという指摘です。
温度感
相手の関心の強さや切迫度。「先方の温度感を確かめておいて」は、どのくらい本気で検討しているかを探ってほしいという依頼です。
筋がいい
論点の立て方や仮説の方向性が的確であること。分析の精度ではなく、着眼点そのものに対する評価として使われます。
刺さる
提案や資料が相手の関心事に的中して響くこと。「経営層に刺さるメッセージにしよう」のように使われます。
巻き取る
他のメンバーが抱えている作業を自分が引き受けること。「その分析は私が巻き取ります」のように、負荷を移す場面で使われます。
ボスマネboss management
上司をうまく動かして仕事を進めやすくする立ち回りのこと。指示を待つのではなく、判断してほしい点を整理して先に投げる、忙しさを見て相談のタイミングを選ぶといった工夫を指します。
ワンオンワン1on1
上司や育成担当者との1対1の面談。進捗確認だけでなく、フィードバックやキャリアの相談の場としても使われます。
リスケreschedule
予定を組み替えること。会議の日程変更にも、プロジェクト全体のスケジュール見直しにも使われます。
ハイレベルにhigh-level
細部に立ち入らず、概要レベルで示すこと。「まずハイレベルに整理して」は、粗い粒度で全体像を出してほしいという指示です。難易度が高いという意味ではありません。
粒度/グラニュラリティgranularity
情報や分解の細かさの度合い。「粒度がそろっていない」は、並列に並べた項目の抽象度がばらついているという指摘です。

3. 資料作成まわりの用語

コンサルの作業時間の多くは資料作成に費やされるため、この領域には独自の言い回しが集まっています。レビューの場で飛んでくる言葉が中心です。

ペライチ
「ペラペラの紙1枚」の略で、1ページにまとめた資料のこと。「ペライチでまとめて」は、要点だけを1枚に凝縮してほしいという指示です。
デック/パッケージdeck / package
スライド資料一式のこと。単体のスライドではなく、報告に使う束全体を指します。
ストーリーラインstoryline
資料全体の論理の流れ。個々のスライドを作る前に、どの順番で何を言うかを決める作業を「ストーリーラインを引く」と言います。
ゴースト/ゴーストパックghost pack
中身のデータが入っていない、見出しと図の枠だけのスライド。作り込む前に構成の合意を取るために使われます。
メッセージラインmessage line
スライド上部に置く、そのページで最も言いたい一文。図表はこの主張を裏づけるために配置されます。
ワンスライド・ワンメッセージone slide, one message
1枚のスライドで主張は1つに絞るという資料作成の原則。複数の論点が混在しているスライドは分割を求められます。
スタンドアロンstand-alone
口頭の説明がなくても、そのスライド単体で意味が伝わる状態。資料が独り歩きすることを前提とした品質基準です。
チャートchart
グラフや図解のこと。数値を示すグラフだけでなく、概念図やフロー図も含めて呼ばれます。
ドラフトdraft
たたき台となる初版。完成品ではない前提で共有し、レビューを受けて仕上げていきます。
赤入れ
上位者が資料に修正指示を書き込むこと。「赤が入る」は指摘が返ってくること、「赤を反映する」は指摘どおりに直すことです。
QCquality check
納品前の品質チェック。数字の整合性、出典、誤字、体裁のそろいを確認する工程で、若手が担うことも多い作業です。
体裁
フォント、文字サイズ、余白、色使いなどの見た目のルール。ファームごとにテンプレートが決まっており、そろっていないと指摘されます。
芸術点
内容とは別に、資料の見た目の完成度を指す言い方。「芸術点を上げる」は見栄えを整える作業を指し、やや自嘲的なニュアンスを含みます。
落とす
議論した内容を資料や文書の形にすること。「今の話をスライドに落としておいて」のように使われます。
アペンディックス/アペンディappendix
本編の後ろに置く補足資料。詳細な分析データや前提条件は本編から外し、ここに格納するのが一般的です。
エグゼクティブサマリーexecutive summary
資料の冒頭に置く、結論と要点だけをまとめたページ。多忙な経営層がここだけ読んでも判断できることを目指して作られます。
議事メモ/ミニッツminutes
会議の記録。決定事項、ペンディング事項、ネクストアクションを整理して当日中に共有するのが基本とされています。

4. プロジェクト運営・体制の用語

案件の進め方や契約に関わる用語です。IT系や総合系の大規模プロジェクトでは特に頻出します。

PMOProject Management Office
プロジェクト全体の進行管理を担う組織や役割。課題管理、スケジュール管理、関係者間の調整を担い、大規模案件では独立したチームが置かれます。
WBSWork Breakdown Structure
作業を細かい単位に分解し、担当者と期限を割り当てた一覧。プロジェクト管理の基本ツールで、これをもとに進捗が管理されます。
ガントチャートGantt chart
タスクを横棒で時系列に並べ、期間と依存関係を可視化した図。WBSと組み合わせて使われます。
マイルストーンmilestone
プロジェクトの中間目標となる節目。中間報告会や意思決定会議の日程が置かれ、そこから逆算して作業計画が組まれます。
クリティカルパスcritical path
全体の所要期間を決めている、遅延が許されない作業の連なり。ここが遅れるとプロジェクト全体の納期が動きます。
ワークストリームworkstream
プロジェクトを構成する作業の縦割り単位。大規模案件ではテーマごとにワークストリームを分け、それぞれにリード役を置きます。
フェーズphase
プロジェクトの段階。現状分析、構想策定、実行支援のように区切られ、フェーズごとに契約が更新されることも多いです。
タスクフォースtask force
特定の課題を解決するために、部門横断で臨時に組成されるチーム。通常の組織階層とは別建てで動きます。
バッファbuffer
想定外の遅れに備えてスケジュールや工数に持たせる余裕。「バッファを見ておく」は余裕を確保しておくことです。
プロポーザルproposal
クライアントに提出する提案書。課題の理解、アプローチ、体制、期間、費用を示し、受注可否を左右します。
RFPRequest For Proposal
クライアントがベンダーやファームに提案を求めるために出す提案依頼書。ここに書かれた要件に沿ってプロポーザルを作ります。
SOWStatement of Work
作業範囲記述書。実施する作業、成果物、前提条件を契約書に紐づけて明文化したもので、スコープを争点にしないための土台になります。
定例
毎週や毎日決まった時間に行う進捗確認会議。クライアントとの定例と、チーム内の定例が別に設定されることが一般的です。
チャージcharge
自分の作業時間をどの案件の費用として計上するか。工数がそのまま売上になる業態のため、チャージの管理は厳格に行われます。
クロージングclosing
プロジェクトの締め。成果物の最終提出、振り返り、次フェーズの提案までを含む一連の作業を指します。
リードlead
特定の領域やチームの主担当として率いること。「このパートをリードする」は、その範囲の責任者になるという意味です。
デイリー/ウィークリーdaily / weekly
毎日または毎週の短い進捗共有会議。前日の成果と当日やることを短時間で確認する運用が一般的です。

5. 思考法・フレームワークの用語

ケース面接でも問われる、思考の型に関する用語です。名前を覚えることより、実際に使って分解できるかが問われます。

MECEミーシー/Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
漏れなく、重複なく分解できている状態。ロジックツリーを作るときの基本条件で、「MECEになっていない」は分解に抜けや重なりがあるという指摘です。
ロジックツリーlogic tree
課題を階層的に分解して枝分かれさせた図。原因を掘る、打ち手を広げる、数式に分解するなど、目的に応じて使い分けます。
イシューツリーissue tree
解くべき問いを、答えを出せる大きさの問いに分解した図。ロジックツリーのうち、論点を分解したものを指します。
仮説思考hypothesis-driven
情報を集めきる前に暫定的な答えを立て、それを検証する形で作業を進める考え方。限られた時間で結論に到達するための基本姿勢です。
ゼロベース思考zero-based thinking
既存の前提や慣習をいったん外して、白紙から考え直すこと。「本当にそれは必要か」という問いから始めます。
So What? / Why So?
「だから何が言えるのか」と示唆を引き出す問いと、「なぜそう言えるのか」と根拠を確認する問い。この往復で論理の質を高めます。
空・雨・傘
事実(空が曇っている)、解釈(雨が降りそうだ)、打ち手(傘を持っていく)の3段構成で伝える型。事実と解釈と提案を混ぜないための整理法です。
ピラミッドストラクチャーpyramid structure
結論を頂点に置き、その下に根拠、さらに下にデータを並べる構造。結論から話す説明の型として使われます。
示唆/インプリケーションimplication
分析結果から読み取れる、意思決定に関わる意味合い。数値の説明だけで終わり、示唆がない資料は評価されません。
ファインディングfinding
調査や分析からわかった事実。ファインディングを積み上げ、そこから示唆を導き、最後に提言につなげるという構成が定番です。
リコメンデーションrecommendation
クライアントに対する提言。何をすべきかを、実行可能な具体性を持って示すパートです。
As-Is / To-Be
現状の姿と、目指すべき理想の姿。両者の差分を洗い出す作業を「ギャップ分析」と呼び、施策の起点になります。
ボトルネックbottleneck
全体の成果を制約している最も細い部分。ここを特定せずに打ち手を広げても効果が出ないため、ケース面接でも重視される概念です。
セグメンテーション/セグメント切りsegmentation
市場や顧客を意味のある固まりに分けること。「どのセグメントで負けているのか」を特定するために使います。
ドリルダウンdrill down
全体の数字から、地域別、商品別、顧客別へと段階的に細かく掘り下げていくこと。問題箇所の特定に使われます。
ベンチマークbenchmark
競合他社や業界平均と比較して自社の位置を測ること。「ベンチ比較」と略されることもあります。
定量/定性
数値で測れる情報と、数値化しにくい情報。定量で規模を押さえ、定性で背景を補うという組み合わせが基本です。
クイック・アンド・ダーティquick and dirty
精度は粗くてもよいので、まず速く概算を出すこと。方向性の判断が目的の段階で使われるアプローチです。
クイックウィンquick win
短期間で成果が見えやすい施策。大きな改革の前に成功体験を作り、社内の協力を得る目的で置かれます。
フェルミ推定Fermi estimation
正確なデータがない量を、手持ちの知識と論理的な分解で概算する手法。ケース面接の前半で市場規模や個数を見積もる場面で使われます。
フレームワークframework
3C、4P、SWOT、PEST、5フォース、バリューチェーンなど、分析の切り口をあらかじめ型にしたもの。当てはめるだけでは不十分で、対象に合わせて選び直す必要があります。
KPIツリーKPI tree
最終的な目標指標を、現場が動かせる要素まで分解した構造。売上を「客数×客単価」に分けていくような分解を積み重ねたものです。

6. 稼働・評価・キャリアの用語

コンサル特有の人事制度や働き方に関する用語です。「アベる」の背景にある稼働率の考え方も、このカテゴリを通して見ると理解しやすくなります。

稼働率/ユーティライゼーションutilization
自分の労働時間のうち、クライアントに請求できる案件作業に充てられた割合。ファームの収益構造に直結するため、評価指標として置かれることが多い数字です。アベる期間が続くとこの数字が下がります。
ビーチ/ベンチbeach / bench
アベると同じく、案件にアサインされていない待機状態を指す言い方。「ビーチにいる」「ベンチに置かれている」のように使われます。
アップ・オア・アウトup or out
一定期間内に昇進できなければ組織を離れることを求める考え方。近年は運用が緩やかになっているファームもあるとされ、実態は会社や時期によって差があります。
タイトル/ランク/グレードtitle / rank / grade
職位の呼び方。アナリスト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーという階層が一般的で、ファームによって名称は異なります。
プロモーションpromotion
昇進すること。年次で自動的に上がるのではなく、評価に基づいて判断されるのが基本です。
アプレイザル/エバリュエーションappraisal / evaluation
プロジェクト単位や期末に行われる評価。複数のプロジェクトでの評価を集約して、昇進や報酬が決まります。
カウンセラー/メンター/コーチ
個人のキャリア相談や評価の取りまとめを担う社内の担当者。案件の上司とは別に、中長期の育成を見る役割として置かれます。
フィードバックfeedback
作業や振る舞いに対する評価コメント。プロジェクト終了時だけでなく、日々の作業に対しても頻繁に行われる文化があります。
セコンドメント/出向secondment
一定期間クライアント企業や関連会社に籍を移して働くこと。事業側の視点を得る機会として活用されます。
ポストコンサルpost-consulting
コンサルティングファームを出た後のキャリア。事業会社の経営企画、PEファンド、スタートアップ、起業などが主な進路として挙げられます。
ファームfirm
コンサルティング会社のこと。「会社」ではなく「ファーム」と呼ぶ慣習があり、専門家集団という位置づけを反映した言い方です。
MBB
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニーの3社を指す通称。戦略系の代表格として語られます。
BIG4
デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの4社。大手会計事務所グループを母体とする総合系ファーム群です。
ブティックboutique
特定の業界やテーマに特化した小規模ファーム。少人数で専門性の高い案件を扱う形態を指します。
インハウスコンサルin-house
事業会社の内部に置かれた、自社の課題解決を担う部署。外部ファームに近い働き方をしながら、自社に腰を据えて改革を進める役割です。
フリーコンサル
ファームに所属せず、個人事業主として案件ごとに契約するコンサルタント。エージェント経由で案件を受けるのが一般的な形です。
リクルーティング活動recruiting
現役社員が採用活動に関わること。説明会の登壇や面接官を務めることが、通常業務と並行して割り当てられます。

7. 覚えておくと読解が速くなるアルファベット略語

資料やメールに略語のまま出てくるため、文脈から推測しづらいものが多いカテゴリです。財務系の略語は、ケース面接で利益構造を扱う際にも役立ちます。

ASAPAs Soon As Possible
できるだけ早く。「アサップ」と読まれます。期限が明示されていない点で、コミットとは性質が異なります。
FYIFor Your Information
参考情報として共有します、という意味。対応を求めない共有であることを示す前置きです。
TBDTo Be Determined
未定。資料上で決まっていない箇所に置くプレースホルダーとして使われます。
AOBAny Other Business
その他の議題。アジェンダの最後に置かれる項目です。
P/L・B/S・CF損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書
財務三表。売上と費用の構造、資産と負債の状況、現金の出入りをそれぞれ示します。利益構造を扱うケース問題では、P/Lの構造理解が前提になります。
EBITDAEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization
利払い、税金、減価償却前の利益。設備投資の重い業種や国をまたぐ比較で、本業の稼ぐ力をそろえて見るために使われます。
ROI・ROIC・ROE投資利益率・投下資本利益率・自己資本利益率
投じた資金に対してどれだけ利益を生んだかを示す指標群。施策の投資対効果を語る際にROIが頻出します。
CAGRCompound Annual Growth Rate
年平均成長率。複数年の成長を1年あたりの平均に換算した数字で、市場規模の推移を示す際に使われます。
M&A・DD・PMI合併買収・デューデリジェンス・買収後統合
企業の買収に関わる一連の流れ。DDは買収前の対象企業の調査、PMIは買収後に組織や業務を統合するプロセスを指します。
PoCProof of Concept
「ポック」と読み、本格導入の前に小規模で有効性を検証すること。DX関連の案件で頻出します。
DXDigital Transformation
デジタル技術を前提に、業務やビジネスモデル自体を作り替えること。単なるIT導入と区別して使われます。
BPRBusiness Process Re-engineering
業務プロセスを根本から見直して再設計すること。人員配置や業務分担の変更を含む改革を指します。
ERPEnterprise Resource Planning
会計、人事、購買、生産などの業務データを1つの基盤で統合管理するシステム。導入支援は総合系・IT系の主要案件領域です。
RPARobotic Process Automation
定型的なパソコン作業をソフトウェアで自動化する仕組み。業務効率化の打ち手として挙がります。
SaaSSoftware as a Service
インターネット経由で利用する、月額課金型のソフトウェア提供形態。「サース」または「サーズ」と読まれます。
SCM・CRMSupply Chain Management / Customer Relationship Management
調達から出荷までの供給網の管理と、顧客との関係を管理する仕組み。どちらも改善テーマとして頻出する領域です。
TAM・SAM・SOMTotal / Serviceable / Serviceable Obtainable Addressable Market
市場規模を、理論上の最大値、自社が狙える範囲、現実的に取れる範囲の3段階で示す考え方。新規事業のケース問題で使いやすい整理です。
LTV・CACLife Time Value / Customer Acquisition Cost
顧客1人が生涯でもたらす利益と、顧客1人を獲得するのにかかる費用。LTVがCACを上回っているかが事業の持続性の目安になります。
ARPUAverage Revenue Per User
利用者1人あたりの平均売上。通信やサブスクリプション型の事業で、客単価に相当する指標として使われます。
CVRConversion Rate
訪問者や見込み客のうち、購入や申込みに至った割合。売上をファネルで分解する際の重要な変数です。
OPEX・CAPEXOperating Expenditure / Capital Expenditure
日々の運営にかかる費用と、設備などへの投資支出。コスト削減の議論では、どちらを削る話なのかを区別する必要があります。
KPI・KGIKey Performance Indicator / Key Goal Indicator
最終目標を示す指標(KGI)と、その達成度を測る中間指標(KPI)。施策を提案する際は、何をKPIに置くかまで示せると具体性が増します。
トップライン/ボトムラインtop line / bottom line
損益計算書の最上段にある売上高と、最下段の当期純利益。「トップラインを伸ばす」は売上拡大、「ボトムラインを改善する」は最終利益の改善を意味します。
シナジーsynergy
事業や組織を組み合わせることで、単独の合計を超える効果が生まれること。M&Aの提案では、売上シナジーとコストシナジーに分けて語られます。

面接や初対面の場で使うときの注意点

用語を覚えると使ってみたくなりますが、ケース面接や初回の面談では、横文字を多用しない方が評価につながりやすい場面があります。面接官は用語の知識量ではなく、考える過程が伝わるかを見ているため、平易な日本語で説明できることの方が価値を持ちます。

特に注意したいのが、意味の輪郭が曖昧なまま使ってしまうケースです。「イシューを特定します」と言ったのに、実際には単に問題点を列挙しているだけだと、言葉と中身のずれが伝わってしまいます。使う場合は、その言葉を日本語で言い換えられるかを自分で確認してから使うとよいでしょう。

一方で、面接官やクライアントが使ってきた用語を理解できないと、質問の意図を取り違えたまま答えてしまう危険があります。この記事の用語集は、あくまで受信側の備えとして押さえておくのが実務的な使い方です。聞き慣れない言葉が出たときは、推測で進めるより「〜という理解で合っていますか」と確認する方が、対話として自然に評価されます。

入社後についても同じで、周囲が使う言葉をそのまま真似るより、自分が何を言いたいのかを明確にしてから言葉を選ぶ習慣の方が、長期的には伝える力につながります。用語は目的ではなく、共通言語としての道具と捉えておくとよいでしょう。

まとめ

コンサル用語は、横文字、社内スラング、アルファベット略語の3種類に分けて、頻出するものから押さえていくと効率的です。「アベる」のように業界の制度が背景にある言葉は、稼働率という仕組みごと理解すると忘れにくくなります。用語集は相手の言葉を理解するための辞書として使い、自分が話すときは平易な日本語に置き換えられる状態を目指しましょう。

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