日本にガソリンスタンドは何カ所あるか|フェルミ推定の解き方と解答例
日本のガソリンスタンド(給油所)の数を推定してください。
自分で設定する論点
- 対象物が必要になる場所や条件を自分で定義する
- 人口密度、道路、商圏、設置間隔など、入口にする母数を選ぶ
- 都市部と地方、特殊立地、重複カウントの扱いを確認する
- セルフ・フルサービスの区別はせず給油所数で数えると宣言する
最初に確認・宣言すべきこと
- 対象は一般向け給油所のみか、企業の自家用給油設備も含むか
- EV充電スタンドは含まないでよいか
- 廃業済み・休業中は除くか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
需要(車の給油回数)を供給(1店の処理能力)で割るのが定石
ヒント2を開く
車1台は月に2〜3回給油する。自動車は乗用+貨物で約8,000万台
ヒント3を開く
1店舗が1日にさばける給油台数は、レーン数×回転で考えられる
考え方
- 総給油回数(台数×頻度)を1店舗の処理件数で割る需給バランスで入る
- 1店の処理能力は「4レーン×1時間4台×営業14時間」のように現場を想像して置く
- 地方の過疎地では採算割れでも存在する、という下支え要因に触れる
解答の流れ
- 自動車保有を乗用+貨物で約8,000万台、給油頻度を月2回と置く → 月1.6億回
- 1日あたり給油需要 ≒ 530万回
- 1店舗の処理: 4レーン × 1時間5台 × 14時間 × 稼働率70% ≒ 200回/日
- 店舗数 = 530万 ÷ 200 ≒ 2.7万カ所
- 結論は約2.7万カ所、レンジ2万〜4万カ所とする
回答例
【結論】日本のガソリンスタンドは約2.7万カ所と推定します。 【前提】一般向けの給油所を対象にします。 【分解式】需要(総給油回数)÷ 1店舗の処理能力で求めます。 【計算】自動車は乗用車6,000万台と貨物等2,000万台で約8,000万台。1台が月2回給油するとして月1.6億回、1日約530万回の給油需要があります。供給側は、1店舗4レーン、1時間に5台、14時間営業、稼働率7割で1日約200回さばけます。530万 ÷ 200 ≒ 2.7万カ所です。 【検算】コンビニ(5.5万店)の約半分という比率です。街道沿いでコンビニ2軒に1軒の割合でスタンドを見かける感覚と大きく矛盾しません。
実際の数値との突き合わせ
資源エネルギー庁 給油所数(2023年度末): 約2.7万カ所(ピークの1994年度は約6万カ所)
1.5万〜5万カ所に入っていれば桁感OK
よくあるミス
- 乗用車だけを母数にして需要を過小評価する
- 給油頻度を週2回など高く置きすぎる(平均的な走行距離では月2回前後)
- ピーク時間だけの処理能力で1日をならしてしまう
面接官の深掘り質問
ガソリンスタンドの数は20年前と比べてどうなっていますか?
ピーク(1994年約6万)から半分以下に減少。燃費向上・車離れ・後継者難・地下タンク規制がドライバー。需要減×固定費増の構造で説明する。
EV普及が進むとスタンド網はどうなりますか?
給油需要は自宅充電に置き換わり大幅減。ただし急速充電・洗車・物流拠点への業態転換余地がある。撤退が過疎地から進む地理的偏りに触れられるとよい。
評価ポイント
- 需要と供給の両側から式を組めた
- 処理能力をレーン数×回転×営業時間で現場感を持って置けた
- 貨物車を含む自動車全体を母数にできた
- コンビニ店舗数との比較で検算できた