飲食チェーンは値上げすべきか|ケース面接の回答例と進め方
原材料費が2割上がった定食チェーンは、値上げすべきかを判断してください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 値上げ後の売上を価格×客数、利益を売上−材料費−その他費用に分解。
- ボトルネック
- 値上げによって客数がどの程度減るかが判断の鍵。
- 打ち手
- 段階的に値上げを試し、客数と利益を確認。価格7.5%増・客数5%減なら利益率2.18%の仮説。
面接官への確認例
- 現状のP/L(客単価800円・原価率35%・営業利益率5%、としてよいか)
- 競合(牛丼・定食チェーン)の値上げ動向はどうか
- 客層は価格感応度の高い日常利用層でよいか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
値上げの目的を、利益額の維持か利益率の改善かで先に定義する。現状のP/L(客単価800円・原価率35%など)も仮決めする
ヒント2を開く
改定後利益率 =(価格倍率 × 客数倍率 − 材料費倍率 × 基準材料費 × 客数倍率 − 固定費)÷ 改定後売上
ヒント3を開く
着目した理由:価格7.5%増・客数5%減なら利益率2.18%ですが、客数が10%減ると赤字です。値上げ額だけでなく、それによって失う客数が判断を左右します。 改善すべきこと:客数の減少と追加原価を差し引いても、1日あたりの利益を増やす必要があります。価格変更を受け入れる理由を作り、小規模に反応を確かめます。
ヒント4を開く
値上げなしなら100−42−60=−2。価格+7.5%、客数−5%なら売上102.125、材料39.9、その他60、利益2.225で利益率2.18%。客数一定の値上げなら7.5ポイント増益、とはなりません。
構造図: どう分解して解くか
営業利益の計算根拠
判断のカギ
着目した理由:価格7.5%増・客数5%減なら利益率2.18%ですが、客数が10%減ると赤字です。値上げ額だけでなく、それによって失う客数が判断を左右します。
改善すべきこと:客数の減少と追加原価を差し引いても、1日あたりの利益を増やす必要があります。価格変更を受け入れる理由を作り、小規模に反応を確かめます。
打ち手と評価
結論
価格改定を検討し、客数維持と商品別利益を試験します。7.5%値上げ単独では5%利益率に戻らず、追加策も新しい損益表で検証します。
回答例(面接での話し方)
1前提
定食チェーンの基準売上100、材料費35、その他60、利益5を置き、材料価格20%上昇に対応します。その他費用を短期固定とした近似です。
2現状分析
改定後利益率 =(価格倍率 × 客数倍率 − 材料費倍率 × 基準材料費 × 客数倍率 − 固定費)÷ 改定後売上。
値上げなしなら100−42−60=−2。
価格+7.5%、客数−5%なら売上102.125、材料39.9、その他60、利益2.225で利益率2.18%。客数一定の値上げなら7.5ポイント増益、とはなりません。
3ボトルネック
着目した理由:価格7.5%増・客数5%減なら利益率2.18%ですが、客数が10%減ると赤字です。値上げ額だけでなく、それによって失う客数が判断を左右します。
改善すべきこと:客数の減少と追加原価を差し引いても、1日あたりの利益を増やす必要があります。価格変更を受け入れる理由を作り、小規模に反応を確かめます。
4打ち手
1. 主力+7%改定×付加価値の同時向上。満足度を保ちながら購入額を上げる。実際の平均値上げ率と客数の変化を組み合わせて確認する。
客数減が想定を超えるに注意して実行条件を確認します。
2. 高単価メニュー投入によるミックス改善。選ぶ価値のある上位商品を用意し、客が自分で選ぶ追加購入額を増やす。原価増も引く。
オペレーション複雑化に注意して実行条件を確認します。
3. 値上げせず原価吸収に専念。値上げを避ける場合、材料高を埋めるだけの費用削減が必要。品質と客数を落とさず実現できるか確認する。
品質低下による客離れ・利益不足に注意して実行条件を確認します。
客数が10%減なら売上96.75、材料37.8、その他60で利益−1.05、率−1.09%。
7.5%値上げ時の損益分岐数量は60/(107.5−42)=91.6%で、約8.4%減までです。
地域・店別に価格反応を確かめます。
5評価と推奨
価格改定を検討し、客数維持と商品別利益を試験します。7.5%値上げ単独では5%利益率に戻らず、追加策も新しい損益表で検証します。
よくあるミス
- 「客が減るから値上げすべきでない」と、赤字転落の定量化をしない
- 値上げ幅の数字を決めず、方向性だけで終える
- 伝え方・付加価値という「どう上げるか」の設計がない
面接官の深掘り質問
客数が想定より15%減りました。どうしますか?
客数15%減なら売上100×1.075×0.85=91.375、材料42×0.85=35.7、固定費60で利益−4.325、利益率約−4.7%。店舗別に需要減の原因を調べ、部分的な価格見直し・商品構成・費用対策を損失改善額で比較する。
そもそも日本企業は値上げが下手と言われます。なぜですか?
デフレ期の成功体験、価格=誠実さという規範、値上げ→客離れの恐怖の自己実現。価値向上とセットの価格改定という発想の欠如を構造的に説明する。
評価ポイント
- 「何もしない」場合の赤字転落をまず定量化できた
- 価格弾力性と競合の同時値上げという環境を織り込めた
- 一律値上げ以外の選択肢(付加価値・ミックス・原価吸収)を組み合わせられた
- 実施後のモニタリング設計まで含められた