地方の路線バスを維持するには|ケース面接の回答例と進め方
利用者減少で赤字が続く地方の路線バス網を、自治体としてどう維持するか考えてください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 路線を利用者の多さで分け、運行費用と運賃収入を比較。
- ボトルネック
- 利用者の少ない路線を大型車・固定ダイヤで運行する非効率に着目。
- 打ち手
- 小型車と予約型の運行へ切り替える。残る固定費や配車費用、運賃減を引くと年0.6億円削減の仮説。
面接官への確認例
- 守るべきは「バス路線」そのものか、「住民の移動手段」か
- 利用者の中心は誰か(通学の学生と免許返納後の高齢者でよいか)
- 自治体の補助金額の現状と、増額の余地
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
守る対象を「バス路線そのもの」とするか「住民の移動手段」とするかを先に定義する。ここが結論を分ける
ヒント2を開く
必要補助 = 維持するサービス水準に必要な全費用 − 運賃等収入
ヒント3を開く
着目した理由:利用者の少ない12路線が運行費1.8億円を占める仮定です。乗客が少ない便でも同じ車両と人員が必要になるため、需要に合う運行方法に着目します。 改善すべきこと:必要な移動を維持しながら、空の運行と重複する車両・人員を減らす必要があります。変更後にも残る固定費を含め、自治体の負担が減る案を選びます。
ヒント4を開く
利用者の少ない路線の運行費1.8億円を予約乗合0.9億円へ、幹線で0.1億円削減できれば追加費用などを引く前の削減額1億円。旧固定費の残り0.2億円、配車等0.1億円、運賃減0.1億円を仮置きすると補助の純減は0.6億円です。 運行費3億円は幹線3路線×4,000万円+利用者の少ない12路線×1,500万円の仮説です。利用者の少ない1路線1,500万円は年1,000乗務時間×3,000円+車両・拠点等1,200万円と分け、予約型で残る費用を見積もります。路線数と走行距離だけでは費用は決まらないため、運行台帳と委託契約で置き換えます。
構造図: どう分解して解くか
路線の需要密度の計算根拠
改善候補
着目した理由:利用者の少ない12路線が運行費1.8億円を占める仮定です。乗客が少ない便でも同じ車両と人員が必要になるため、需要に合う運行方法に着目します。
改善すべきこと:必要な移動を維持しながら、空の運行と重複する車両・人員を減らす必要があります。変更後にも残る固定費を含め、自治体の負担が減る案を選びます。
打ち手と評価
結論
主要路線を維持し、利用者の少ない路線では予約型の乗り合い運行を試します。移動の質を保った純削減額が確認できた範囲で転換します。
回答例(面接での話し方)
1前提
運行費3億円、運賃1億円、補助2億円の町で、通院・通学等の移動を補助増なしで維持する仮想ケースです。
2現状分析
必要補助 = 維持するサービス水準に必要な全費用 − 運賃等収入。
利用者の少ない路線の運行費1.8億円を予約乗合0.9億円へ、幹線で0.1億円削減できれば追加費用などを引く前の削減額1億円。
旧固定費の残り0.2億円、配車等0.1億円、運賃減0.1億円を仮置きすると補助の純減は0.6億円です。
運行費3億円は幹線3路線×4,000万円+利用者の少ない12路線×1,500万円の仮説です。
利用者の少ない1路線1,500万円は年1,000乗務時間×3,000円+車両・拠点等1,200万円と分け、予約型で残る費用を見積もります。
路線数と走行距離だけでは費用は決まらないため、運行台帳と委託契約で置き換えます。
3ボトルネック
着目した理由:利用者の少ない12路線が運行費1.8億円を占める仮定です。乗客が少ない便でも同じ車両と人員が必要になるため、需要に合う運行方法に着目します。
改善すべきこと:必要な移動を維持しながら、空の運行と重複する車両・人員を減らす必要があります。変更後にも残る固定費を含め、自治体の負担が減る案を選びます。
4打ち手
1. 幹線への集約とダイヤ再設計。重なる便をまとめ、利用者が多い主要区間へ車両を配分する。
減便地域の住民反発に注意して実行条件を確認します。
2. 閑散地域のデマンド交通転換。予約に応じて車両と運行を決め、利用のない便や過大な車両費を減らす。
予約の手間で高齢者が使えない恐れに注意して実行条件を確認します。
3. スクールバス等との輸送統合。同じ地域を走る車両を共同利用し、別々に持つ運転手・車両の費用を減らす。
部門間調整の難航に注意して実行条件を確認します。
実証区域で1運行あたり乗合人数、予約不成立、待ち時間、運転者時間を測ります。利用できない住民を減らした結果だけで費用削減を成功とせず、電話予約と最低運行水準も費用に含めます。
5評価と推奨
主要路線を維持し、利用者の少ない路線では予約型の乗り合い運行を試します。移動の質を保った純削減額が確認できた範囲で転換します。
よくあるミス
- 「観光客を呼んで利用者を増やす」など、通学・通院という本質需要とずれた施策
- 補助金増額を前提にした持続性のない提案
- デマンド型は万能ではない(幹線には非効率)という使い分けの欠如
面接官の深掘り質問
自動運転はこの問題を解決しますか?
運転士不足という供給制約には中期的に効くが、需要密度の低さは解決しない。導入コストと限定路線での実証から、幹線→閑散線の順で段階導入、と時間軸で答える。
バス会社が撤退を表明したらどうしますか?
公有民営(車両・営業所を自治体が保有し運行委託)への切り替えが定石。撤退リスクを競争入札と複数年契約で管理する、と事業スキームで答える。
評価ポイント
- 「バスの維持」から「移動手段の確保」への目的の再定義ができた
- 路線を需要密度で分類し、一律でない処方箋を書けた
- 運転士不足という供給側の制約を織り込めた
- 縦割りの輸送資源(スクールバス等)の統合に気づけた