地方温泉街の観光客を増やすには|ケース面接の回答例と進め方
衰退が続く地方温泉街の観光客を増やす施策を考えてください。
まずは自分で解いてみましょう。解答・解説は開くまで表示されません。
解答・解説を開く
回答の要点
- 構造化
- 観光消費を宿泊する延べ人数×1泊あたりの消費額に分解。
- ボトルネック
- 空室の多い地域では、宿を増やすだけで宿泊需要が増えるとは限らない。
- 打ち手
- 体験商品・情報発信・宿の再生を連動。新たな宿泊と体験購入による消費増を重複なく計算する。
面接官への確認例
- 対象は旅館20軒規模・ピーク時の半分まで宿泊客が減った温泉街、としてよいか
- KPIは宿泊客数か、観光消費額か
- 個別旅館ではなく温泉街全体(組合・自治体)の立場でよいか
行き詰まったときの段階ヒント
ヒント1を開く
宿泊客と日帰り客のどちらを重視するかを先に決める。立場も個別旅館ではなく温泉街全体(組合・自治体)とする
ヒント2を開く
延べ宿泊人泊 = 室数 × 稼働率 × 1室人数 × 日数
ヒント3を開く
着目した理由:500室・稼働率40%の仮定では、既存の部屋に余裕があります。客室を増やす前に泊まる理由と、1人1泊あたりの消費額に着目します。 改善すべきこと:地域全体で新たな宿泊を増やし、体験などの追加購入を促す必要があります。地域内の別の宿から移った客を新規として数えません。
ヒント4を開く
500室×40%×2.2人×365=16.06万人泊。新設扱いの再生宿3軒×10室×70%×2.2人×365=1.69万人泊が供給可能量です。体験施策+2.5万、発信+1.5万、再生+1.5万は同じ需要を重ねる可能性があり、単純合算できません。再生宿3軒は、候補10軒×権利・改修適合50%×事業化60%という仮説です。稼働70%は客室能力からは導けず、月別の予約需要と競合からの移転を調べます。既存500室に含む宿なら新設容量として重ねません。 宿泊16.06万人泊は500室×365日×客室稼働40%×1室2.2人です。2.2人は2人利用80%+3人利用20%。消費単価2.5万円は宿泊1.5万+飲食5,000円+買物3,000円+体験2,000円の仮説で、16.06万×2.5万=40.15億円です。
構造図: どう分解して解くか
年間宿泊の計算根拠
改善候補
着目した理由:500室・稼働率40%の仮定では、既存の部屋に余裕があります。客室を増やす前に泊まる理由と、1人1泊あたりの消費額に着目します。
改善すべきこと:地域全体で新たな宿泊を増やし、体験などの追加購入を促す必要があります。地域内の別の宿から移った客を新規として数えません。
打ち手と評価
結論
街の体験と共同発信を先に検証し、需要が確認できてから再生投資を判断します。宿泊・消費の3割増は重複と購入率を反映した再計算が必要です。
回答例(面接での話し方)
1前提
500室の温泉街で年間の延べ宿泊人泊と観光消費を3割増やします。実人数・宿泊件数・人泊を分け、ここでは人泊を使います。
2現状分析
延べ宿泊人泊 = 室数 × 稼働率 × 1室人数 × 日数。
500室×40%×2.2人×365=16.06万人泊。
新設扱いの再生宿3軒×10室×70%×2.2人×365=1.69万人泊が供給可能量です。
体験施策+2.5万、発信+1.5万、再生+1.5万は同じ需要を重ねる可能性があり、単純合算できません。再生宿3軒は、候補10軒×権利・改修適合50%×事業化60%という仮説です。
稼働70%は客室能力からは導けず、月別の予約需要と競合からの移転を調べます。既存500室に含む宿なら新設容量として重ねません。
宿泊16.06万人泊は500室×365日×客室稼働40%×1室2.2人です。2.2人は2人利用80%+3人利用20%。
消費単価2.5万円は宿泊1.5万+飲食5,000円+買物3,000円+体験2,000円の仮説で、16.06万×2.5万=40.15億円です。
3ボトルネック
着目した理由:500室・稼働率40%の仮定では、既存の部屋に余裕があります。客室を増やす前に泊まる理由と、1人1泊あたりの消費額に着目します。
改善すべきこと:地域全体で新たな宿泊を増やし、体験などの追加購入を促す必要があります。地域内の別の宿から移った客を新規として数えません。
4打ち手
1. 外湯めぐり・食べ歩きなど街の体験化。泊まって楽しむ目的を作り、宿泊需要と現地での購入額を増やす。
旅館間の合意形成に注意して実行条件を確認します。
2. ターゲット特化のリブランド発信。体験に合う客層へ情報を届け、旅行先の候補から予約へ進む割合を上げる。
既存客層の離反に注意して実行条件を確認します。
3. 廃業旅館の再生・高単価宿誘致。既存の宿では満たせない客層を獲得する。その需要が確認できた段階で客室へ投資する。
投資回収の不確実性に注意して実行条件を確認します。
宿泊予約の新規・移転、稼働の曜日季節分布、体験購入率×単価で消費増を検証します。全員3,000円増ではなく購入率30%×3,000円なら平均増分900円です。室数より純増需要を優先して測ります。
5評価と推奨
街の体験と共同発信を先に検証し、需要が確認できてから再生投資を判断します。宿泊・消費の3割増は重複と購入率を反映した再計算が必要です。
よくあるミス
- 「SNSで発信する」だけで、泊まる理由(体験)の設計がない
- 全客層向けの総花的な施策でメッセージがぼやける
- 旅館単体の改善に終始し、街全体の連携に触れない
面接官の深掘り質問
旅館同士は競合です。連携できますか?
「街に客が来ないと全員が沈む」という共通利益を明確にし、外湯手形のような全員が得する施策から始める。成功体験→深い連携の順で信頼を作る、と実行論で答える。
インバウンドはどう位置づけますか?
個人旅行化・地方分散のトレンドに合致し有望。ただし多言語・決済・送迎の受け入れ整備が前提なので、国内個人客向けの体験化がそのまま土台になる、と順序で答える。
評価ポイント
- 団体→個人という需要の構造変化を出発点にできた
- 街全体を一つの宿と見立てる編集の発想があった
- ターゲットを絞る勇気(万人向けをやめる)を示せた
- 短期の需要施策と中期の供給再生を順序立てられた